美容クリニック院長に聞く、日本人の施術の変化

私が施術を受けた「モズクリニック」は2013年に開業。院長以外に3名の専門医師が在籍する、韓国メディアも注目するクリニックだ。施術ついでに図々しくも「日本人の渡韓美容医療の実状」についてインタビューをお願いしたところ、ソン・スンヨン院長は快く応じて下さった。

丁寧にカウンセリングしてくれるソン先生。日本語通訳さんが常駐しているのも心強い
丁寧にカウンセリングしてくれるソン先生。日本語通訳さんが常駐しているのも心強い

――日本人の患者さんの最近の施術トレンドは?

ソン院長(以下同) 7~8年前は、圧倒的に脂肪吸引が多かったです。最近は、マッサージを受けるくらいの感覚で「肌管理」に来院される人が多く、ニーズの変化が感じられます。『肌管理』の中でも、レーザー系の手術は短いスパンが理想なので、中には2ヵ月に1回のペースで来院する人もいます。

――SNSには、さまざまな投稿が溢れています。良いクリニックかどうかを見分ける基準は?

簡単な施術、たとえば美容皮膚科の『肌管理』であれば、院内が清潔で雰囲気が良く、リラックスして過ごせそうなクリニックなら大丈夫でしょう。一方、外科手術など大がかりで高額な施術の場合は、口コミやレビューをしっかり読み込んで、外科手術を担当するドクターの経歴、何年手術を行っているかを確認してください。整形外科出身なのかも調べたほうがいいですね。

さらに、ドクターが国ごとの好みの違いなども把握しているのが理想です。国によって施術の仕上がりの好みはかなり違うから。たとえば、日本人は効果を求めながらも、“ナチュラルな仕上がり”を重視、逆に中国人はしっかり実感できる“効果”を大切にします。

―――清潭洞(チョンダムドン)は、どんな患者さんが多い?

下調べに余念がない熱心な人、自分の元の顔からかけ離れない自然な効果を好む患者さんが多いです。この周辺は個人経営のクリニックがほとんどで、カウンセリングにも時間をかけるのが特徴。一方、かつて私が勤めていた江南(カンナム)駅付近のクリニックは、中国からの患者さんに人気がありました。

―――美容業界の知人に「明洞での施術は安いけれど、韓国人はほとんど行かない」と言われましたが、なぜでしょうか?

おそらく新人ドクターが多いからでは? おおぜいのお客さまを施術する、いわゆる『工場系』クリニックでは、新人ドクターが練習で施術するケースもかなりあります。外国人の患者さんしかいないクリニックは、避けたほうがいいですね。