過半数維持のために立てたプランの中身は
安倍晋三元首相の後継者を自任する高市早苗氏が「反石破」の急先鋒と目されているのは間違いない。ただ、さきの総裁選で高市氏を担いだ議員の多くが今回の衆院選で国政からの退場を強いられており、すぐに「反石破」の動きが党内で大きなうねりになっていくとも考えにくい。
とはいえ、衆院選での惨敗によって政局が一気に不安定化したのもまた事実。就任直後から正念場を迎えた石破首相に突きつけられた最初の課題は、選挙で崩壊した、政権運営のための態勢を再構築することにある。
自民内では、その青写真となりそうなプランが急浮上している。ある自民党議員の秘書が打ち明けたプランの中身はこうだ。
「過半数を維持するためには233議席が必要で、自公政権では現有の215議席から18議席の積み増しが必要になる。まずは『裏金問題』で非公認となったなかでなんとか議席を守った平沢勝栄、萩生田光一、西村康稔の各氏を追加公認する。
それ以外に与党に協力する可能性のある無所属議員を7人引き込むことを画策しています。具体的には、大分1区の吉良州司氏、茨城1区の福島伸亨氏、京都4区の北神圭朗氏、福岡9区の緒方林太郎氏、東京26区の松原仁氏、茨城7区の中村勇太氏、鹿児島2区の三反園訓氏の7人です。
そこからさらに、保守系の新党である参政党、保守党を連立に組み入れる。さらに国民民主から議員を1人、引きはがそうとも目論んでいます。
白羽の矢を立てたのが、埼玉13区から初当選した橋本幹彦氏。防衛大学校を経て航空自衛官になり、経営コンサルタントに転じた経歴の持ち主で、28歳という若さも魅力。計画通りにいけばこれで233議席を確保することになりますが、果たしてうまくいくかどうか」
一部報道では国民民主党に政策ごとに連携する「部分連合」を呼びかける方針も模索しているともされる石破首相。大嵐が吹き荒れる政局に呑み込まれないためにも、難しい舵取りを迫られるのは必至だ。
取材・文/集英社オンラインニュース班