「分かっちゃいるけどやめられない」

水原氏も違法賭博がキャリアや名声、大谷氏との信頼関係を失わせる危険な存在であったことは、百も承知だったはずだ。訴追された金額が約1700万ドルであることを踏まえると、ある程度まとまった期間にわたって手を染めた結果、巨額な借金を背負ったと推測するのが自然だ。

水原氏も、何度も立ち直りを模索しただろう。それでも、できなかった。

「分かっちゃいるけどやめられない」

タバコ、アルコール、薬物を含め中毒性があるものから離れられないことを端的に指す言葉だ。水原氏も輝き続ける大谷氏の隣で、人知れずこの悪循環に陥っていた。

写真はイメージです
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水原氏の一件は、ギャンブル依存症がもたらす人生の破滅を教えてくれている。「他山の石」としていくべき事例となるが、ギャンブル依存症者の支援団体らは、このずっと前から地道に啓蒙活動を続けている。

改めてその事例を紹介してから、カジノとギャンブル依存症との関係考察に移りたい。