「若い頃は本当にヤンチャだった(笑)」

そんな中田は自身のYouTubeで頭を丸刈りにして登場してきたことがある。その際、気合いを入れるためと話していたが、当然自身が高校球児だった時代は丸刈り頭が当たり前だった。

スポーツ進学校の部活のほとんどが丸刈りだったが、時代は令和。今は「脱・丸刈り」という風潮も少なくない。そんなスポーツ文化についてはどう思うのだろうか。

「今は今でいいと思うんだけど、僕の本当に個人の意見では、スポーツの世界のしきたりみたいなものは、残していかなければいけないものは残していくべきだし、野球界でも厳しくやっていくことはやっていったほうがいいんじゃないかなと思う。

僕らは先輩にバチバチしごかれてきた世代なんでね、必ずしもそれが大事とは言わないけれど、いろんな先輩方が言ってくれたことが、今の自分に活きてるときはやっぱりある。

根性論みたいになって、今の若手世代からしたら“そんなの必要ないでしょ?”って思うかもしれないけど、やっぱりココっていう大事な場面での表情の変わり方や気持ちの入れ方って僕らの世代の選手は違うなって思う。

結果ももちろん大事だけど、土壇場でのその表情や姿を見ていい意味で“こいつなんかやらかしてくれるな”と期待できる。

それは僕たちみたいな狭間のゆとり世代と言われてきた人らにしかわからないことかもしれないけど」

35歳という歳になって過去の経験や知識を活かして前進する中田。あの頃のヤンチャな大将から一回りも二回りも大きくなった今だからこそ、過去のヤンチャエピソードのひとつ、取材陣への「エアガン乱射騒動」 の話を聞いてみた。

「いやぁ、若い頃は本当にヤンチャだった(笑)今考えると本当に申し訳ないけど。子どもが生まれて丸くなったんだと思いますよ。もちろん年齢もあると思うけど、35歳になってまだヤンチャやったら、ただのアホやと思うし」

中田翔が語る35歳の現在地「この歳でまだヤンチャやったらただのアホ」初めて明かすエアガン乱射騒動の後悔と第二の人生_3
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過去の若気の至りを照れくさそうに話すその笑顔には野球少年の爽やかさが滲み出ている。

「たぶん俺ってヤンチャなイメージっすよね(笑)もうイメージがついちゃってるから。でもそのイメージを変えたいとも思ってない。世間がそう思ってるならそれでいい。

ヤンチャとかチャランポランって思われてるならそれで     いいかな。他人の意見やイメージで自分の人生が左右されるわけじゃないし、好きに生きたい。だから今は野球を全力でするだけ」

 後編に続く。※後編ではこれまで語ることのなかった、中田の父としての一面にフォーカスを当てる。

中田翔●1989年4月22日。広島県広島市中区出身のプロ野球選手。右投右打。2008年に日本ハムファイターズに入団、2021年に読売ジャイアンツへ無償トレード移籍。2023年12月に中日ドラゴンズと正式契約し、入団会見を行った。

取材・文/佐々木一城