男性客は50~60代ばかり
略式起訴命令を受けた店長の男は容疑を認めており、月平均で250万円、去年1年間で3200万円ほどを、この10年間では約3億円も売り上げたと供述していた。
「出会い喫茶」とはいったいどのようなシステムなのか。10月のある平日の夕方、都内に展開する某グループ店に潜入してみた。
複数ある中からまず訪れたのは、多くの飲み屋が軒を連ねる池袋の歓楽街にある店舗。雑居ビルの複数フロアで運営する同店舗は、初回に必要な入会金が2500円、入室料が2500円という金額設定になっている。
受付で初来店である旨を伝えると、強面だがくたびれた印象の初老店員からこんな説明があった。
「別室にはマジックミラー越しに女の子がいて、壁には座席表とプロフィールカードがあるから、好みの子のカードと、あだ名や料金、外でのプランなど希望する条件を記入した紙を持ってきてください。
その後は10分間無料のトークタイムで、ここで条件が合えば退室料2500円を払って、あとは2人で自由行動。条件が合わなければ違う子とトークしてもらって大丈夫です」
入会金と入室料を支払うと、女性たちがマジックミラー越しに見える部屋へ。恐る恐るドアを開けると、そこに広がっていたのは異様な光景だった。
まず気づくのは、利用者の圧倒的な年齢の高さだ。数人いた客はみな50~60代ほどの中高年男性。貼り紙では客同士の会話が禁じられているため、互いに言葉を交わすことなくひたすら女性を凝視しており、かなり殺伐とした空気だ。
クタクタの格好で清潔感がない男性が多く、なかには歯がない男性もいた。店内の有線放送では70~80年代の懐メロばかり流れていたのも、妙に納得がいってしまった。
一方、5人いたマジックミラー越しにいた女性たちは、客側より高さのある位置に並んだ座席に座っている。彼女たちは向けられた視線に気づくことなく、一様にスマホをいじっていた。
時折、無料のドリンクを取りに部屋の外にあるドリンクサーバーへと立ち上がるのだが、ある男性客はすかさずしゃがみこんでスカートの中を覗き込み、女性との縁遠さを際立たせていた。