「売ります!!こち亀登場権の巻」(ジャンプ・コミックス93巻収録)
今回は、お金で『こち亀』の作中に登場した、実在の人物をめぐるお話をお届けする。
お金で買ったといっても、作者の秋本治先生がお金を受け取ったわけではない。
登場した人物は、公開オークションを行うテレビ番組『とんねるずのハンマープライス』で、漫画作品への登場権を落札したのだ。
なお同番組では『こち亀』のほかにも、『ドカベン』『美少女戦士セーラームーン』『銀河鉄道999』などの人気作品への登場権も商品として出品されていた。
本作中で両さんが落札者を「宮路社長並みだな」と評しているが、これは家電量販店「城南電機」の名物社長だった宮路年雄氏を指している。
アタッシュケースに詰めた現金で商品仕入れを行い、安売りに徹するスタイルが話題を呼び、テレビ番組などに出演していた。
そしてもうひとつ両さんの発言を補足しておくと……。「俺を出せコンテスト」とは、「週刊少年ジャンプ」誌上で2回募集された、「こち亀にオレを出せ!! コンテスト」のこと。
作品に登場したい読者を募り、その中から選ばれた読者を両さんが訪ねるエピソード「恋の沖えらぶの巻」(ジャンプ・コミックス50巻収録)と「北海 毛ガニ旅の巻」(ジャンプ・コミックス60巻収録)が描かれた。
こられのエピソードでは、当然ながら金銭のやりとりは発生していない。
それでは次のページから、リアル中川もしくはリアル白鳥麗次的な『こち亀』読者が作中に登場する、異色の一作をお楽しみください!!