修理で来店するも…「勝手に乗り回してんじゃねーぞ」

持ち込まれたフェラーリは、「488GTB」というグレードだったという。

「今の価格なら中古で2000万円後半~3000万円前半くらいですね。新車価格でも3150万円ですけど、フェラーリは投資目的で買う人もいるくらいなので中古でもそんなに値落ちしないんです。

嫁は『V8のエンジン音がいい』とか言ってましたけど、それよりもフェラーリに乗ることで得られるなんらかのメリットを享受しようとしていたんでしょう。旦那が『名義は俺だけどオーナーは嫁ってことにしてるんだ』と言っていたぐらいだから。

フェラーリの女オーナーとかだと一目置かれたりするんで、SNSでそうやって目立って寄ってくる人たちを相手に何かをしようとしてるのかなって勝手に思っていました。いずれにせよ最初の印象ば決して悪くはなかったんですが……」

夫婦が住んでいたタワーマンション(撮影/集英社オンライン)
夫婦が住んでいたタワーマンション(撮影/集英社オンライン)

ところが修理を終えてフェラーリを返した途端、夫妻は豹変した。

「車を取りに来てもらった時は、嫁が黒のプリウスを運転していました。旦那がフェラーリを運転して、嫁がプリウスに乗って帰ったんですけど、それから1~2時間後くらいに旦那からすごい剣幕で、『お前、勝手に俺のフェラーリを40分以上乗りまわしているな』と電話がかかってきました。

作業のために車を移動した数分しか乗っていないので否定すると、『ドライブレコーダーにお前が乗っているのが映っているんだ。てめーコラ、フェラーリに乗りたかったんか? 俺の車に乗りたかったんか?』とまくし立てるんです。嫁の方も電話口の横から『てめー勝手に乗り回してんじゃねーぞ』などと叫んでいました」

斎藤容疑者のフェラーリ
斎藤容疑者のフェラーリ

このカーショップ関係者は身に覚えのないことだったため、「調べ直してください」と冷静に言うと、斎藤容疑者はいったん電話を切ったしばらくのち、「40分乗っていたというのは違うわ」と電話をかけ直してきたという。ところが…

「今度は、『フェラーリを傷つけたな。俺たち夫婦は車に乗って家に帰ってきたあとに車の写真を必ず撮る。下回りに今までなかったはずの傷がついているんだよ』と言い出したんです。

そんな傷はどこにも見当たりませんでしたが、ウチの会社がスロープになっている場所があって、そこで傷つけたと言い張るので『会社に持ち込んだ時にスロープで運転してきたのは斎藤さんだと思いますがその時こすりましたか?』と返すと黙り込んでいました。

途中から、これはもうお金を取ろうとしているのだと気付いたんですが、案の定、『嫁がもうこの車には乗りたくないと言っている。3500万円用意するか新しい車を用意しろ』と言い出しました。そこから10日近く、電話でお金を払え、払えないといったやりとりを続けましたが、正直、本当に おかしい人だと思いましたよ」