スタッフではどうすることもできない迷惑客

「やばいと思ってすぐに運営スタッフに報告したのですが、今度はそのグループが運営スタッフと『殴った・殴ってない』の論争に。何度か揉めた後、結局会場の外へ連れていかれてしばらくしたら、私を殴った男が仲間を引き連れて2人がかりで襲撃してきたんです。これによって全治2週間以上の怪我をしました。

そのあと、スタッフが止めにやって来ましたが、2人を私から引き剝がすことができなかったため、私も一緒にライブハウスの外へと出ることに。ここで、『ここまでやられたら警察にこの2人を逮捕してもらうしかない』と思い、110番通報しようとスマホを手にしたところ、スタッフから強い口調で『110番しないで』と言われました。おそらく、大ごとにしたくなかったのでしょう……。

私はこの出来事をきっかけに、怖くて対バン形式のライブに行けなくなってしまいました。今回、HYDEさんは『何かあったらスタッフを呼んでね』と呼びかけていましたが、ライブで暴力振るうようなやつを相手に、運営スタッフができることには限度があると思います。スタッフを呼んでも、私のように逆恨みされてさらなる危険に晒される可能性がありますから……」

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誰もが楽しむためにライブに行き、その会場では同じアーティストを愛する仲間が集まっている。いったいなぜ、そんな場所で暴力を振るってしまうのか……。

今回の騒動を受けて、ミュージシャンのGACKTは自身のXで、ライブマナーや対処法について以下のように世間に呼びかけている。

〈ライブなんだし、好きなように乗って、楽しんで、暴れていい。だが、そこには必ず見る側のマナーがあって、それをみんなが守っているからこそ、成立する世界がある。みんなで楽しむためのライブで、独りよがりに好き勝手やることを自由とは言わない。ただの自己満、強いてはただの迷惑でしかない。こんなこといちいち言わなきゃ分からないヤツがいること自体にウンザリするが、少なからずそういうヤツはいるんだよな。ライブ会場にはセキュリティやスタッフが各場所に配備されてる。

何かおかしいと思った時は、すぐにセキュリティに伝えて、対応してもらうこと。問題を放置してトラブルが大きくなればライブだって中断、中止になりかねない。せっかくコロナが明けてライブができるようになったんだ。ライブはみんなで作り上げるものだってことを理解してみんなでめいいっぱい楽しんでくれ〉

取材・文/集英社オンライン編集部