僕たちはパーソナリティがちょっと似ている
──楽曲制作はどのように進めていったんですか?
キタニ 第2期で放送される「2.5次元舞台編」で描かれるのは“アクア”の内面なので、歌詞では我々ふたりとアクアの共通点にスポットを当てました。僕たちは彼にすごく共鳴できるから。
中島 キタニくんと僕は、パーソナリティがちょっと似ている部分があって。そこでつながり合った感じはあります。
キタニ 『【推しの子】』に登場するキャラクターたちは、ステージ上で「自分を見ろ!」っていう戦いをやっていますが、それは自分も同じで。自分を見て欲しいから音楽を作っているし、それが創作のモチベーションでもあるんです。健人さんは健人さんで、自分という存在をこの世のどこかに残したいみたいな欲求があると思うんです。
中島 そういう意味では、僕らが携われたのが2期の2.5次元舞台編でよかったかもね。1期は、芸能界を描いた漫画の示しを強烈に世間に流布してくれたと思っていて。
キタニ アニメの内容もYOASOBIの「アイドル」も、ひたすらポップに、間口を広げて衝撃を与えることに注力していましたよね。だからこそ、2期では物語の内容も主題歌も、人間が抱える闇を掘り下げることができたと思うんです。
自分はテレビの中のケンティしか知らなかったから、健人さんと喋っているときに経験してきた挫折とか、腹に一物を抱えていることが見えてきて。そういうケンティを知れたからこそ、ふたりで作った楽曲はちょっと暗い曲になっちゃったけど、ドロドロした感情はきっと誰でも持っていることだし、共鳴してくれる人も多いと思います。
中島 人間が抱える闇を浮き彫りにした、ちょっと魔力が備わっている曲になったと思います。