「政策目標の約9割は達成」という小池知事だが…
ちだい氏はさらに、今年と昨年だけで48億円もの予算をかけ、費用対効果が疑問視されている都庁のプロジェクションマッピング事業を挙げながら、業界団体が「小池続投」に動いたと指摘する。
「小池さんは、お金をバラ撒くところにはバラ撒くんです。一般市民からしたら都庁のプロジェクションマッピングなんて見ないし、得することもないし、やめちゃえばいいと思いますが、委託会社や関連会社からすると、これらがなければ大きな売上が飛ぶことになりますよね。そうなると当然困るわけで、売上のことを考えれば、業界団体としては小池知事に続けてほしく『今回も小池さんで』となるわけです」(ちだい氏)
小池知事は1期目の初当選時に「7つのゼロ」を掲げたが、これには以前から「達成できていない」との批判が根強い。
一方、本人は3選当確後、NHKの質問に対して「私は2期8年にわたって、政策目標の約9割は達成、そしてまた推進してまいりました。実際にそのことを感じていただいているからこそ、今回の私への投票につながったものと、そのように確信しております」と胸を張っている。
しかし、この発言は「政策」の達成ではなく「政策目標」である上、「推進」という曖昧な表現も用いられている。
「まずみんな、『公約を達成できたか』をそこまで気にしていない。どうしても『言ったもん勝ち』という部分があるんですよ。多くの人はどれだけ達成したかまでわかりませんから、嘘でも『9割達成しました』と言えば、それを信じちゃうと思うんです。のちのち検証されますけど、そこでもなかなか本当のことは伝わっていきません。
また多くの人は、どの公約が達成できてどれができていないかまで、検証できていないと思います。望ましいのは、選挙前にどれだけ達成できたかを検証すること。新聞などでは報じているんですが、最近は新聞を読む人も少ないので、多くの有権者に伝わらないところはあります」(ちだい氏)