「ここ数年はお父さんと学くんの2人暮らしでした」
干支がふた回り以上年下の女性に惚れ込んで貢ぎ、殺人を犯すまで逆上してしまった和久井容疑者は、自宅周辺では“常識人”で通っていた。足の悪い母は介護施設に入所し、年老いた父と2人暮らしをしていたようだ。近所に住む女性は不思議そうな表情を見せた。
「最近も見かけたけど、ふだんと何も変わらない様子でした。実家の2階に洗濯物を干したりお布団を干したりしていましたよ。学くんは子供の頃からおとなしい性格ですごくいい子でした。
悪ぶったりグレたりすることもなかったし、大人になってからも態度が悪いと感じたことはなかったので、今回の事件にはびっくりしました。
元々ご両親と3人暮らしでしたが、お母さんは介護施設に入ったりして、ここ数年はお父さんと学くんの2人暮らしでした。また最近は戻っているようですけど…。お父さんは80代でお母さんは70代後半くらいかな」
一家は総じておとなしく、近所付き合いも積極的にするタイプではなかったというが、和久井容疑者が車とバイクに目がないことは周知の事実だったようだ。
「近所迷惑になるようなことはしないタイプですけど、学くんが家の前の道路ですごく高そうな車やバイクを洗車しているのをよく見かけました。この道はバスもよく通るので、事故にならないか心配でしたね。その車とバイクも処分したのか見なくなって久しいですね。学くんが女の人といるところも見たことなかったので…」
自宅近くの飲食店店主もこう語る。
「和久井さんはどこにでもいる礼儀正しいおじさんで紳士的な印象でした。あんな事件を起こしたなんて全然想像できないです。つい数日前に車ですれ違ったときも、いつもと何も変わらない様子でした。
この辺りで顔を合わせれば、いつも向こうから挨拶してくれて、『いいお天気ですね』みたいなたわいもない話をよくしていました。この辺はガラがあんまりよくないやつもいるんだけど、そういう不良っぽいヤツらとつるんでる感じも全くなかったです」