「宝島さん以上に憎しみをかっていたことも考えられます」
こうしたなか、県警は遺体の状況にも注目している。
「A子さんとみられる遺体は頭蓋骨が骨折するほど頭部にひどい損傷があり、顔で身元の判別ができないほどでした。鈍器のようなもので何度も殴られていた可能性がある。遺体はときどき人が通る集落のそばで焼かれており、見せしめ目的でこのように遺棄された可能性があるとの見方も当初から出ていました。遺体の損傷からみると、女性のほうは宝島さん以上に憎しみをかっていたことも考えられます」(同前)
上野近辺では、宝島さんとA子さんはいつも連れ立って系列店を回ったり食事をしたりしていることで有名だった。15年前に宝島さんと付き合いがあったという男性は、A子さんはそのころから宝島さんが経営する店を手伝っていたと回想する。
「私が宝島さんのお店に行って、その後、飲みに行こうというので朝までやっている居酒屋とかによく行きました。宝島さんは当時、羊肉を扱う中国料理の店を経営していましたが、うまくいかず、お店を畳んで、その後に焼肉店を始めたりしていました。あの頃はお店は3つで、こんなふうに事業が大きくなるとは思ってなかったですね。当時、宝島さんのお店にスナックの女の子が飲み食いに来て、その付き合いで宝島さんがそういうお店に行くことを奥さんが悩んでいたこともありました」(男性)
さらに古く、30年前から上野で韓国料理店を営んでいる男性も「宝島社長は私が店を始めたときからちょくちょく来てくれてました。最後に会ったのは1か月くらい前でしょうかね。いつも奥さんと一緒で、夜に来てくれることもあれば昼に食べていかれたこともあります」と話す。
「仕事を離れると宝島さんのそばに寄り添っていた」
別の飲食店の経営者の男性は「2日にいっぺんくらいの頻度で寿司屋に来てたって聞いてるよ。宝島さんはいつも女房と来て、みんなに敬語を使ってすごく丁寧に接するいい人だったってその店に通っている人から聞いた。自分たちの店を見て回って、その寿司店に寄って、旦那も女房もオンボロのチャリで帰るのが日課だったんでしょ」と話す。
宝島さんについては「ふだんは優しいですが、お酒が入って怒り出したときはとても怖い人だった。酔って殴ったとかそういう話はいろいろ聞きましたから、そういう意味でも狙われる可能性はあったかもしれないですね」(15年来の付き合いの男性)という声や、「夜に見たときは、とにかく怖い雰囲気。普通の人には見えなかった」(前出・韓国料理屋のママ)という声もあり、夜は強面の表情を見せるときもあったようだ。
一方で、客を一人でも獲得しようと周辺の同業者と激しく渡り合っていたというA子さんは、仕事を離れると宝島さんのそばに寄り添っていたという印象を持つ人が多く、プライベートな食事の場で騒ぎを起こしたりしていたという声は聞かれない。夫に寄り添い店を盛り上げてきた妻は、誰からそこまで憎しみを呼んだのか…。捜査はまだまだ続く。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班