FAで西川龍馬を補強…増えるファンの期待に応えられるか
昨季は森友哉、今季は西川龍馬と、FA市場の目玉選手を2年連続で獲得。吉田、山本のポスティング移籍で得た資金を、しっかりと選手の獲得にも活用している。
もちろん、山本、山﨑両投手の抜けた“穴”はひとりやふたりの選手で埋められるほど小さくはない。投手陣であれば、たとえば複数の投手が1勝、2勝、10イニング、20イニングと昨季より数字を伸ばし、打線は昨季よりも得点を奪うことで「守」の穴を埋める――。
西川の加入で打線は確実に厚みが増し、投手陣には楽しみな若手が控える。だからこそ、普通に考えれば大幅な戦力ダウンとなるはずの今季も、オリックスはパ・リーグの優勝候補に挙げられるのだ。
おそらく、チームのスタイル自体も昨季とは様変わりするだろう。昨季は絶対的エース・山本の存在感が図抜けていたために、どちらかといえば「投のチーム」の印象が強かったが、今季は投打のバランスがいっそう取れたチームに変貌するかもしれない。
もちろん、山下のような期待の若手投手が大覚醒し、ひとりで山本の穴を埋める可能性だって否定できない。
本来は窮地といっていい主力2投手の流出が、逆に“楽しみ”に変わる。それこそが、オリックスが昨季まで3連覇を成し遂げてきた原動力であり、チームとしての“強さ”だといっていい。
いよいよ迎える2024年シーズン開幕。4連覇を目指すオリックス・バファローズは一体どんな戦いを見せてくれるのか――。
取材・文/花田雪