「世界進出するまで死ねません!」90歳の“逆さ歌シンガー”が悲願の初ライブへ_e
ライブ直前、練習に励む中田さん
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90歳で初ライブの夢が実現

テレビ番組、YouTubeと活躍の場を自らの手で広げてきた中田さん。次なる目標を「ライブ」に定めたきっかけは、昨年、YouTubeでたまたま見かけたストリートピアノの動画だった。

「50~60代の男性が、手が震えながらも一生懸命に『エリーゼのために』を弾いている動画でした。周りにいた女子高校生たちも始めは笑いながら見ていた感じだったのですが、最後まで弾き終わるとそれはもう盛大な拍手に包まれていたんです。それを見た私も感動して涙がポロポロとこぼれて来てしまって。『そうだ、私もライブをやりたい!』と強く思うようになりました」

ライブへの夢がふくらんでいた2021年の暮れ、自宅に1本の電話がかかってきた。プラッツ習志野市民ホールからだった。

「『中田さんは逆さ歌でテレビにも出ていて有名だから、コンサートをやりませんか?』と、コンサート開催のお声がかかったんです! 嬉しい気持ちを出しすぎると飛びついたみたいで恥ずかしいから、『そうですね、考えておきます。本当にありがとうございます』と抑え気味にお答えしたんだけどね。電話を切った瞬間、『うわー! きたー!』って大喜びしました。普通、初ライブっていうと18歳とか19歳だけど、90歳で夢が叶いました。強く願っていると実現するものですね」

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撮影のためにトレードマークの大きなメガネをかけてくれた
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行き詰まったときには「芳子七ヶ条」を思い出すという

会場となるホールのキャパシティは324席。当日は、大好きな『アメージング・グレイス』のほか、観衆参加型の「逆さ歌曲名当て3択クイズ」も用意。中田さんが逆さに歌った後に、録音を逆再生した“原曲”も流す。

しかし、コンサートを2週間前に控えていた6月上旬、中田さんにトラブルが発生する。熱心な練習がたたってか、ぎっくり腰になってしまったのだ。演奏や歌唱には影響はないというが、「不安はないですか?」と尋ねると、「やらねばならぬですよ!」と元気な答えが返ってきた。

「戦後、15歳で台湾からリュック一つで引き上げてきたときも不安でいっぱいでしたけど、『苦しいときこそ楽しんでやる』がモットーですから。逆さ歌の魅力は、なんといっても裏のメロディーの摩訶不思議さ。『アメージング・グレイス』の鏡の裏側にも似た不思議な旋律の世界を中田がご案内します。ぜひ足を運んでくださいね」

90歳で初コンサートの夢を叶えた中田さん。次の目標は、なんと“世界進出”だ。

「弾き語りの逆再生で、これだけ完成された『アメージング・グレイス』を歌えるおばあちゃんが日本にいるということを世界中に発信したいんです。私、世界に出るまでは死ねませんから!」

ときめきランチタイム ワンコインプチコンサート
90歳YouTuberの初ライブ! テレビでおなじみ逆さ歌の中田芳子登場!

日時/6月21日(火)午前11時30分~午後0時15分(開場:午前11時)
会場/プラッツ習志野市民ホール
住所/千葉県習志野市本大久保3-8-19
料金/500円(全席自由)
問い合わせ/プラッツ習志野北館2階総合受付
TEL/047-476-3213

取材・文/堤 美佳子
撮影/吉楽洋平