ひたすら丸まって横になるだけ

ひとまずその状態でなんとかTシャツなどを着せてもらい、リビングのカーペットの上で胎児のように丸くなって横になる。その姿勢がいちばんラクだからという経験者のアドバイスのもとに。なぜベッドではないかというとベッドの上にあがれないくらい痛かったから。

「とりあえず病気とかそういうものではないから、痛みがおさまるまで時間が解決するのを待つしかないんだよ、ぎっくり腰は。じゃあオレは会社行くから、がんばれよ」とパンイチで横になる私にバスタオルをさりげなくかけていってくれたのは、武士の情けか。

そのまま床に寝そべったままスマホを握り締め、あちこちに連絡して休む算段をつけたならば、後はひたすら検索あるのみ。ぎっくり腰、治る、とか、ぎっくり腰、症状、治療とか、たちまちスマホの履歴は埋まっていく。

そうこうするうちにだんだん動くコツもつかめてきたので、唸りながらスウェットやらを着込み、歩いて5分の整形外科までタクシーでゴー。いや、マジでほんとに歩けなかったんです。
つかまえたタクシーに這うように乗り込んで「運転手さん、ごめんなさい、本当に近くなんですけれども、ぎっくり腰になってしまって全然歩けないんです」「いや〜わかりますよ!  私もやったことありますからね〜」。
おお、ここにも我が同志。

特効薬のないぎっくり腰ラビリンス

で、これも経験者の方はおわかりだと思いますが、ぎっくり腰で整形外科を受診しても、せいぜいが痛み止めの処方とコルセットをくれるくらいのもの。本当に痛みを消したいならば神経ブロック注射という手法もあるのですけれども、結局はそれもまた対症療法でしかないとのことで、私は受けませんでした。

そして、それをきっかけに何度もぎっくり腰を繰り返すようになってしまったのです…うそかまことか、一度なるとクセになりやすいというぎっくり腰。
だいたい私の場合は、一度ぎっくり腰になると、寝たまま→前かがみの姿勢から直立歩行できるようになるまでに1週間、その後さらに1週間ぐらいは痛みが残り、自由に体を動かせない状態を引きずってしまいます。つまりほぼ2週間アクティブに動けなくなる…大好きなゴルフもランニングもおあずけになってしまうわけです。

まわりの同志たちにいろいろ訊ね、鍼灸に整体、カイロにマッサージと、およそ腰にいいと言われることはすべて試してみたのもこの頃。
でも、結局は根本的な解決にはつながらず、周囲の人間からは“ガラスの腰”と命名されるほどに。
もちろんセルフケアとして、腰痛対策の王道である、腹筋と背筋を鍛えてバランスの良い体幹を作ることにもトライしてました。そして満を持して始めた腹筋の翌日に見事、ぎっくりです。
今思えば私のやり方もまずかったんだろうけど、そもそも腹筋や背筋が弱いからぎっくり腰になるわけで、いきなり筋トレなんかこなせるわけがないんです。てなわけで即、挫折。
腰痛ラビリンスの中でただただ迷うばかりだったのです。