芸能記者が見たマッチと明菜の温度差

マッチ本人も、当時について「芸能生活を学校の部活程度のものと考えて真剣さを欠いていた」との発言をしたことがあったが、芸能系のある女性コラムニストはアイドル時代のマッチについて「それにしても悪ふざけがすぎていた」と振り返る。

「ある女性アイドルのことを『あいつ、死人の顔みたいだよな!』と周囲に言いふらしたり、別の女性アイドルが歌番組で歌っているときに本人にも聞こえるようにクスクスと笑ってバカにしたり……。だから女性アイドルからはかなり嫌われていましたね」

恋仲の噂があった当時、誌面で共演したマッチと明菜(「週刊明星」1984年12月6日号より。撮影/篠原伸佳)
恋仲の噂があった当時、誌面で共演したマッチと明菜(「週刊明星」1984年12月6日号より。撮影/篠原伸佳)

そんなマッチと交際していた女性アイドルが中森明菜だ。ふたりの愛の顛末は中森の自殺未遂&“金屏風会見”にて破局を見せるが、まだふたりの関係が噂程度だったころに共演した映画『愛・旅立ち』〈1985年公開〉の記者会見に出席した城下氏はこう振り返る。

「あの日、事前に『マッチと明菜の恋仲についての質問は一切しないように』と念を押されたのですが、『お互いにとって、どんな存在ですか』という質問をしたんです。

すると明菜さんがじっくり真剣に考えたあとに『すごく……大きな存在です』と答えたのに対して、マッチは『一緒にいて楽しいです』とサラっと言った。すでに恋愛関係にあっただろうに、思いの深さに差があるなと感じたものです」