「本国から来るチームを目の前で応援できることは本当にうれしいことなんです」

大一番を前にした2月26日夜、日本サッカー協会(JFA)がX(旧ツイッター)で衝撃的な数字を発表した。同日午後5時時点でのチケット販売済み枚数が、いずれもゴール裏で、ホームが1526枚、アウェーが3000枚(完売)だという。アウェー、つまり北朝鮮の応援団の規模が、なでしこ応援団の2倍近くに上っているのだ。在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)のある活動家は興奮気味にこう語った。

日本入りした北朝鮮代表(写真/共同通信社)
日本入りした北朝鮮代表(写真/共同通信社)
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「北朝鮮の応援団は3500人を超える勢いです。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年1月末からウリナラ(わが国=北朝鮮本国の意味)には感染対策で在日朝鮮人は入れなくなり、今もその状態が続いています。ウリナラとの往来ができなくなって寂しい想いをしていた同胞たちにとって、本国から来るチームを目の前で応援できることは本当にうれしいことなんです」

第1戦は当初、平壌の金日成競技場で開催予定だった。しかし試合運営などで不透明な点が多かったため直前の21日になって中立地・ジッダでの開催が決まり、無観客で行われた。北朝鮮はホームのアドバンテージを失った上、チームは北京を経由した長距離フライトで日本チームより一日遅い22日にジッダ入り。それでも24日の試合はなでしこを「薄氷のドロー」に追い込み、昨秋の杭州での大会からの成長ぶりを印象付けた。