「担当編集者として、自分が知っていることで読者が知らないことをなくしたい」
――コマの隅々まで登場人物の人柄が見えるような描写があるので、読み手として目が離せません。
そこはかなり気を遣っているところです。あと、本編はもちろん、各話の扉ページにも登場人物の魅力を掘り下げる重要な役割があると考えています。今、扉ページをつけない作品がけっこう多いんですよ。紙の雑誌の場合、ページ数が限られているので、扉のイラストに1ページ使うのはもったいないという考え方もあって。
でも、『ダイヤモンドの功罪』では、本編では描けなかったことや展開をなるべく削らずに読者に届けたいという思いがあるので、扉でそれを見せることを重要視しています。たとえば、登場人物が幼い頃の日常を描いたイラストがわかりやすいですかね。よく見ると靴下が丸まっていたりして。こういうところから人間味とか、魅力が見えてくると思うんです。
――単行本のおまけページでも同様に、登場人物に親近感が湧くような漫画が掲載されていますよね。
それも同じような意図です。担当編集者として、私の知っていることで読者が知らないことをなくしたいなと思っていているので、同じくおまけページも大切にしています。