その木札の裏面は、絶対に見てはならない

——展示の趣旨からはズレてしまうのかもしれないですが、今回のなかで「これは本当にヤバい」という呪物はありますか?

Apsu Shusei どれも本当はヤバいものなのですが、安全に観ていただけるように展示方法を工夫したものはいくつかありますね。はやせさんの呪いの木札とか……。

はやせ あの木札は裏面を見ると危ないんですよ。霊が見えるようになったり、お腹に海外の寄生虫が湧いたり、とにかくよくないことが起きる。ぼくも裏面を見た当日に、雨のなか全身血まみれで土下座する男の霊を見ました。だから、裏面は見れないように展示してもらっています。

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はやせさんも「詳細は語りたくない」という呪いの木札

——個人的に怖かったのは「百年前の呪いの釘」です。シンプルゆえにゾッとするものがありました。

はやせ あの釘は岡山県のとある神社の神主さんから譲ってもらったもので。実際に100年以上前に、丑の刻参りで使われていたものらしいです。丑の刻参りって、主に女性が使う呪法だとされていて。それもあって、女性の方があの釘に触れると、耳元で「カンカン」と釘を打つ音が聞こえるそうです。今回は、基本的に呪物に触れることはNGになっているので、ルールを守って展示を楽しんでもらえればと思います。

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ただの錆びた釘に見えるが、正真正銘の呪いの釘だ

田中 こうやって話していると、なんだかとても危ない展示をしている気がしてくるね。

Apsu Shusei いやいや、でも昔から「呪われている」とされた人形が、美術館や展示館に収蔵された途端に悪さをしなくなるというのは、よくある話じゃないですか。やっぱりみんなで見ることで、何かが「薄まる」んだと思うんですよ。今回の展示はすでに大阪で約4,000人が観ていますから、東京会場にお越しの方は、その点は多少なりとも安心かと思います。