日韓合作の強みを生かした作品
──本作はHulu初のオリジナル韓国ドラマです。近年は動画配信サービスの普及により、各国から世界に向けて同時配信される作品が増えました。『イカゲーム』の名前を出すまでもないと思いますが、そのような変化をどう感じていますか? また、演じることにおいて、これまでと違う点はあるのでしょうか。
ヒャンギ(キム・ヒャンギ、以下同) まず作品を選ぶときに、世界で同時に配信されることは意識せずに選んでいます。どこの国で見ていただいても、いい物語は伝わると信じているからです。
今回の『プレイ・プリ』は韓国が舞台で、韓国の俳優が韓国語で演技をしています。でも、今までにあった韓国ドラマとは一味違うところがあります。私は日本のドラマもよく見ていますが、この作品の中には日本の作品に感じられるような感性(※編集部補注:間合いや会話がないシーンに感じられる空気感)が入っていると感じるのです。つまり、韓国の長所と日本の長所がうまく溶け合っている作品だと思います。
ヒョンスン(シン・ヒョンスン、以下同) 僕も世界に配信される作品かどうかということは意識していませんが、『プレイ・プリ』に関しては、まさに日韓合作の強みを感じられる作品だと思います。
『イカゲーム』のお話がありましたが、世界的に新鮮な驚きを与えた作品ですよね。 『プレイ・プリ』は異なるタイプの作品ですが、同じように世界のみなさんに愛していただき、共感してもらえるのではないかと。
──演じる役柄について教えてください。
ヒャンギ ハンジュは、厳しい現実の中でも自分なりにベストを尽くして、努力をするキャラクターです。大学に通って就職活動をする中でも、ずっと歌を歌う夢をあきらめません。そして、誰かが自分の本心に気づいてくれなくても、とにかく前に進もうとする。その力は、どこから出てくるのだろうかと考えました。
ドラマを見ていただければわかるのですが、ハンジュは心の傷を抱えて生きています。その傷は痛みでもありますが、ひとつの思い出にしようと努力をしています。そんなハンジュがドグクと出会うことによってどんなふうに変わっていくのか。外見と心の中、その両方を見ていただけたらうれしいですね。
ヒョンスン ドグクはとても澄んだ、清らかな魂の持ち主だと思います。どこか幼い子供みたいな部分があるところも、すごく不思議で。アイドルのレビとして演じるときは、そういった部分をうまく生かしながらも、“完璧なアイドルの姿”を見せるようにしました。一方で、彼には子供っぽいところだけではない何かがあるとも思っていて。ハンジュと出会うことによって成長する姿が、ドラマでは描かれています。