これが「ポジティブ思考」の神髄
今「ポジティブ心理学」が注目されています。この世に生を受けたあなたに与えられた時間をいかに幸福感を持って過ごすか? これは誰にとっても、とても重要です。そのヒントを大谷選手は私たちに教えてくれます。彼ほどポジティブ思考の持ち主はなかなか見当たりません。あるとき、彼はこう語っています。
「良くても悪くても、どんどん変えていくっていうのは良いところじゃないかなと思いますね。なんて言うんだろう……現状を守りにいかないという性格ではあるので、まあ、すごくいい状態のときでも、それを維持していこうというよりも、それを超える技術をもう一つ試してみようかなと思う。挑戦してみようかなというマインドがあるのは、得なところだと思います」(『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』扶桑社)
多くの人々が「ポジティブ思考」とは、物事の良い面だけを見て楽観的になること」と考えています。しかし、それは明らかに間違っています。
真のポジティブ思考とは、「物事をありのままに受け止めて、それをより良くするために全身全霊をかけてベストを尽くすこと」なのです。
著名な心理学者で「ポジティブ心理学」の権威であるタル・ベン・シャハー博士は、「4つの幸せモデル」を提唱しています。これを簡単に解説しましょう。彼はそれらを「至福型」「快楽型」「出世競争型」「悲観型」と名付けました。図表7にそれを示します。
横軸は現在の利益と不利益であり、縦軸は未来の利益と不利益です。それぞれの領域の特徴を、ハンバーガーで示しています。4つのタイプを簡単に解説しましょう。