天気とユニクロの意外な関係

「ユニクロ」の販売戦略といえば、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。

商品企画から製造、物流、販売までを自社で行うSPA戦略の仕組み作り。テレビCMを活用したブランド構築と折込チラシによる販促活動。そしてそれらを同時並行で行う巧みな戦略の数々に目が行く。

3年連続で過去最高益を記録したユニクロ
3年連続で過去最高益を記録したユニクロ
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確かに、ファーストリテイリングという会社が長い年月をかけて構築したビジネスの仕組みやノウハウが、企業を成長させてきた要因のひとつになっていることは間違いない。

しかし、ユニクロの本質的な強さは日常を快適に過ごす究極の普段着を作り、リーズナブルな価格で世の中に提供することにある。すなわち、機能性の高さだ。その主力商品として、極細繊維で汗が乾きやすい「エアリズム」と、体から発せられる水蒸気を熱に変換する「ヒートテック」がある。

そのため、ユニクロの業績は天候に左右されやすいという特徴がある。猛暑や酷寒であればあるほど、儲かりやすい会社なのだ。2023年8月期(2022年9月1日~2023年8月31日)は特にその傾向が顕著に表れた。

ユニクロの2019年8月期の売上高は2兆2905億円だった。その後、コロナ禍で消費者に行動制限が課されたために減収となったものの、2022年8月期には売上高が2019年8月期とほぼ同水準まで回復している。

※ファーストリテイリング決算短信より
ファーストリテイリング決算短信より

2022年8月期は、国内の売上高が8102億円、海外が1兆1187億円だった。その中でも海外での売上の53%を中国エリアで稼ぎ、売上高は5385億円となっている。

そして、2023年8月期の中国事業の売上高は、前年同期比15.2%増の6202億円に跳ね上がった。ここに会社全体の大幅な増収につながった要因のひとつがある。