巣の主、キイロスズメバチの生態
ハチ駆除専門業者「埼玉39消毒 蜂駆除屋さん」代表の櫻庭誠治さんはこう話す。
「動画を見る限り、巣を壊されたのはキイロスズメバチで間違いない。キイロスズメバチは体長2.5~3センチと大きくありませんが、オオスズメバチに次いで凶暴なスズメバチなんです。
撮影されたのは8月末ですが、9月のスズメバチは、巣の中で次世代の女王バチが育ち始めるころで、まわりへの敵対心がグンと上がっており、1年でもっとも活発で凶暴。近づいただけでも威嚇したり、刺すこともあります」
投稿者によると、「雨宿りしてる間、ずっと恐くて…雨上がって立ち去ろうとした時に何かイラッとしてつい復讐してしまいました」とのことだが、巣を壊されたスズメバチの復讐の針が、他の通行人に向けられるかもしれないとは想像できなかったのか。
「防護服を着ていた職員が刺されることはなく、このトンネルはダム管理者が通るだけの道で付近に民家もないことから今のところ被害の報告はありません。
しかし、巣が天井についたままならハチごと駆除できたのでしょうけど、これでは……」(役所建設課担当者)
被害者が出なかったのは不幸中の幸いだが、ハチごと駆除できなかったことにどんな問題があるのか。前出の櫻庭さんは話す。