経済力か恋愛感情か 結婚相手に求めるもの

20~59歳の男女のうち、結婚していない人を対象におこなった内閣府の意識調査がある(平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書)。

それによると、結婚したい理由は「家族を持ちたい」「子どもが欲しい」が70.0%と最も高く、次いで「好きな人と一緒にいたい」も68.9%と高い。この調査でいささか驚いたのは、30代女性の68.2%が、「老後に一人でいたくない」を理由に挙げていることだ。結婚しても、最後は一人になるわけだが、若いころにはそういう想像力が働かないのだろうか。あるいはずっと共に暮らす夢を見ているのか。

【経済力か恋愛感情か】女性が結婚相手の男性に望む年収で見えてくる令和の結婚観_2

いずれにしろこの調査からわかるのは、少なくない日本人がいまだ「家族」を重視しているということだ。好きな人と一緒にいることが目的なら、必ずしも結婚する必要はない。同棲するなり、付き合っていればよい。家族を持ちたいと考える人が多いという現状からは、漱石が予言したほどに、日本には「個」が根付いていないと言える。

ちなみに結婚の理由に「経済的な安定を得たい」と答えている人は、女性で4割程度と、それほど高くない。女性も働く時代になったことが反映されているのだろうか。女性にとって結婚は、経済的な安定を求めてするものではなくなりつつあるようだ。

これを裏付けるように、結婚相手に求める条件には、

1 価値観が近いこと
2 一緒にいて楽しいこと
3 一緒にいて気をつかわないこと


と、精神面に関わる内容が続く。

そして「経済力」や「学歴」は、「恋愛感情」よりも、結婚の条件として低い。結婚は恋愛の延長とまではいかなくても、気の合う楽しい人と結婚したい、というのが、現在の若者の気持ちのようだ。恋愛はともかく、気の合う人と、という気持ちは私もよくわかる。

しかし、婚活中の編集者は別の見解を示した。婚活中の女性は、男性の年収をかなり気にすると言うのだ。