日本の希望の光とは
日本の半導体産業は挽回不能である。特に、TSMCが世界を席巻しているロジック半導体については、日本のメーカーは2010年頃の40nmあたりで止まり、脱落してしまった。いったん、微細化競争から脱落すると、インテルの例でわかるように、先頭に追い付くのはほとんど不可能である。
したがって、日本がいまさら、最先端の7~5nmを製造することなど(まして2nmなど)、逆立ちしたって無理である。ここに税金を注ぎ込むのは無駄である。歴史的に見ても、経産省、産業革新機構、政策銀行が乗り出してきた時点でアウトなのだ。
では、日本に希望の光はないのかというと、まだ、ある。それは次の3点である。
①ウエハ、レジスト、スラリ(研磨剤)、薬液など、半導体材料は、日本が相当に強力である
②前工程で十数種類ある製造装置のうち、5~7種類において、日本がトップシェアである
③欧米製の製造装置であっても、数千〜十万点の部品のうち、6~8割が日本製である
つまり、半導体デバイスそのものには期待できないが、各種の半導体材料、前工程の5~7種類の製造装置、そして、装置が欧米製であっても各装置を構成する数千点の部品の内の6~8割が日本製であり、ここに日本は高い競争力を持っている。
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