成功とは「思い出をつくる」こと

「自分はやはりインフルエンサーではなく事業家」“青汁王子”こと三崎優太が「どうせ自分は成功できない」と諦めている人へ贈るただひとつのアドバイス_3
すべての画像を見る

――読者の成功へのモチベーションを鼓舞する本書ですが、同時に「人生の目的が『金儲け』から『ビジョン』に変わった」といった言葉も出てきます。
三崎さんにとって「金儲け」の意味が以前とは変わってきているのでしょうか?


変わりましたね。特に最近は、「お金はずっと持っていても意味がない」と思うようになりました。お金というものは持っているだけでは紙切れで、使ってこそ初めて価値に変わると思うんです。

最近読んだ本に書いてあったんですが、「死ぬときにお金がゼロになるようにすべて使い切る」というのが一番幸せで、一番価値を引き出せるお金の使い方だと思います。だから、そうなれるようにバンバン使っていったほうがいいですね。

20代の頃は「お金はたくさん持っていれば持っているほどいい」と思っていたんですけれど、口座の残高だけが増えていっても、何も生活は変わらない。だから、「なんのために稼いでいるんだろう?」と思うようになりました。お金に対する考え方が変わった理由としてそれが大きいと思いますし、だから稼いでないやつには「まず稼げ」と言いたいです。

――「金儲け」の意味が変わったということは、同時に「成功」の意味も変わったのでしょうか?

「お金を稼ぎたい」という思いは今でもありますが、結局お金だけを持って死んでも意味がない。だから、「成功とは何か」ということを考えた時、「人生においてよりたくさん思い出をつくりたいな」と思うようになりました。死ぬまでにどれだけたくさんの思い出を作れるかが、人生の幸福度になるんじゃないかな。

そのためにお金を稼いで、稼いだお金をどうやって使うか、何に変えていくかが大事だと思っています。

――では具体的に、お金をどう使っていきたいと考えていらっしゃいますか?

いろいろな会社を買収して、世の中に価値を提供していきたいです。インフルエンサーとしてはひととおり活躍させてもらったけど、「やっぱり自分が一番得意なのは事業だな」と思っています。だから、そちらに力を入れていきたいというのが、今の僕のビジョンなんです。

はじめからうまくいっている会社になんて興味はありません。今はうまくいっていないけど、それを僕たちの力で改善することで、どれだけ伸びしろがあるか。そこだけを見ています。じゃないと安く買収できませんから。それがすべてですよ。

わかりやすい例を言うと、いい商品はあるけど、広告のやり方がわからなくて売れず、赤字になっている会社が世の中にはたくさんあるはずです。僕たちは広告制作が得意だし、インフルエンサーとして自分でも発信できるから、そういう会社とはすごく相性がいいのですぐにでも黒字にできると思います。

――三崎さんのYouTubeチャンネルではエクアドルやタイ、インドなど世界のいろいろな国に旅をされて、体験したことを発信しています。そういう活動も「思い出」と「価値」をつくることになりますか?

そうですね。世界中のすべての国に行ってみたいので、旅はずっと続けようと思っています。仕事の都合とかでなかなか海外に行けない人も多いと思いますが、僕はたまたま恵まれていて行ける状況にあるので、世界の景色を画面の向こうの皆さんに届けていきたい。日本とは違うその場所の価値観や、「こういう世界がある」ということを見せていきたいですね。

取材・文/甲斐荘秀生 撮影/篠田直人