Apple WatchとiPhoneがユーザーの心の健康を見守る
次に「ヘルスケアの充実」に関して見ていこう。iOS 17におけるヘルスケア機能のアップデートは、実はwatchOS 10の進化と密接につながっている。
2015年にApple Watchとともに誕生したwatchOSも、遂に「10」まで進化した。これを機にOSのデザインも変更されるが、その前にヘルスケア関連の機能がどう変わるのか説明したい。
watchOS 10からは、iOS 17の標準「ヘルスケア」アプリと連係して、心の健康をチェックできるようになる。watchOS 8から搭載された「マインドフルネス」アプリに、「State of Mind(=心の健康)」という新機能が加わるのだ。
「State of Mind」を起動し、筐体のDigital Crownを回すと、画面上に「Neutral(平常心)」「Slightly Pleasant(少し愉しい)」「Pleasant(愉しい)」といった感情を表す言葉と色、シンボルの表示が切り替わる。
そして、そのときの気分に適した表示を選んで記録すると、それがiOSの「ヘルスケア」アプリに気分の変化が蓄積されていく。このとき、「家族」「友だち」「仕事」など、その気分を抱いた理由を一緒にタグ付けして残すことも可能だ。
また、「ヘルスケア」アプリではユーザーの睡眠やエクササイズといった運動習慣の記録と「心の健康」を紐づけて表示する機能が備わる。
「ヘルスケア」アプリ側から、ユーザーの心の健康について改善を促すよう働きかけることはないが、クリニックでよく使われる「うつ」や不安症の検査にアプリからアクセスしたり、ユーザーが自分の心の健康に関するリスクレベルを確認したりするための新しいツールが、今後用意されるという。
周囲に知られることなく、Apple Watchを使って心と身体のケアができるようになれば、多くのユーザーに歓迎されそうだ。