東京で北海道の海の幸が味わえる強み

東京では数多くの回転寿司チェーン店がしのぎを削っている。「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」「かっぱ寿司」などの大手チェーンの存在感は大きいが、一方で地方発の回転寿司チェーンの台頭も見逃せない。

その代表格が北海道発の回転寿司チェーンだ。

現在、都内には「回転寿し トリトン」、「回転寿司 根室花まる」、「グルメ回転寿司 函太郎」の3チェーンが進出しており、都民や外国人観光客などから“本格的な北の味”が堪能できるとして絶大な人気だ。うに、いくら、甘えび、ホッキなど、北海道ならではの新鮮なネタが楽しめるのがウリとなっている。

トリトンは押上、池袋に出店。花まるはテーブル席のある店舗が銀座、丸の内にあり、ほかにも立ち食い店が都内に数店舗ある。函太郎は丸の内に店舗を構えている。コロナ禍で遠方への旅行があまりできなかったこともあり、観光気分で足を運ぶ人も少なくなかったようだ。

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「旅行に行きづらかったコロナ禍では、特に都内の店舗にはお客が多く訪れていて、繫盛していましたね。北海道はやはり海の幸の宝庫として名高い地域ですので、北海道ブランドというだけで相当な集客力があるんです。特にトリトンは、都内で最も成功しているローカル回転寿司チェーンだと思います。

普通、北海道の回転寿司チェーン店は1皿当たりの値が張るものですが、東京のトリトンでは税込143円のお皿からあり、税込176円でかれいやトビッ子のお皿もあるなど、とてもリーズナブルな値段で提供しているんです。100円皿で人気を獲得していった大手回転寿司チェーンにも対抗できる価格設定と言えるでしょう。しかも、北海道チェーンの中でも先駆けて進出したので、後続のローカルチェーンもトリトンの価格設定を無視できなくなりました。

花まるも北海道民から愛されている人気のお店ですし、函太郎も函館を代表するお店であることから注目度は高めです。いずれのお店も美味しいのですが、それゆえに週末となるとどこも混雑するため、席に案内されるまでかなりの時間を待つ覚悟が必要かもしれませんね」

ためしに土曜日の午後16時ころに「回転寿し トリトン 池袋東武店」へと訪れたところ、4時間待ちというアナウンスがされた……。それだけ北海道の海の幸を味わいたい人が多いということだろう。