下着の色指定や、入学時に毛髪の色を申告する「地毛申請書」
「下着は白かベージュ」「(頭髪の両側面を刈り上げるなど)奇抜な髪型は禁止」。栃木県立足利清風高校(足利市)の教室で、風紀委員を務める生徒約15人が厳しすぎると思う校則を次々に挙げた。議論を呼びかけた小滝智美教諭も「下着の色まで指導するのはおかしい」と疑問を呈した。
2021年6月、認定NPO法人カタリバの協力を得て、生徒主体で校則を見直すための話し合いが行われていた。
校則の改定には自分たちでルールを見直し、つくることを学ぶ狙いもある。足利清風高校ではこれまでの議論を通して下着の色指定や、入学時に毛髪の色を申告する「地毛申請書」などを廃止した。眉にかかる程度としていた前髪の長さや「おだんご」の髪形禁止も緩和した。ジェンダーの多様性に配慮した制服のあり方についても議論が進んでいる。
「学校の校則は生徒の意見を反映している」
との回答はたった17%
子どもを枠にはめ、はみ出しを許さない日本の学校教育。校則はその典型だ。
頭髪や服装に関する厳しい校則は、非行が問題化した1980年代に広がった。その後に一部は緩和されたが、滑稽なほど細かい「ブラック校則」は今も残り、生徒たちは自分の意見が反映されていないと不満を抱く。
国立青少年教育振興機構が21年6月に公表した日米中韓4カ国の高校生を対象とした「高校生の社会参加に関する意識調査報告書」によると、日本は「学校の校則は生徒の意見を反映している」と回答した割合が17%にとどまった。米中韓はいずれも日本を大きく上回る3割以上だった。
文部科学省はこれまで教員が生活指導をする際の手引書となる生徒指導提要で「学校が集団生活の場であることなどから、学校には一定のきまりが必要」と明記し、校則を容認してきた。しかし「ブラック校則」に対する批判が高まる中、12年ぶりの改訂を行った。