女子CL制覇に向け年間予算約15億円
◎ヴォルフスブルク―アーセナル(4月23日 フォルクスワーゲン・アレーナ@ヴォルフスブルク)
ヴォルフスブルク市には、独フォルクスワーゲン社が本社を構える。世界で一、二を争う自動車会社の企業城下町という意味では、日本の豊田市と似た立ち位置だ。
ヴォルフスブルクは、ドイツ代表でもエースFWであるポップの負傷がまだ癒えず、欠場。一方のアーセナルも得点源のミードやミーデマ、快速ウィングのフォード、イングランド代表主将でもあるウィリアムソンらを欠いていて、どちらもベストとは言えない陣容となった。
キックオフ前、女子サッカーに明るいドイツ人ジャーナリストを探す。独紙「ビルト」の女子サッカー番、ロバート・シュライヤー記者が快く協力を承諾してくれた。
「ドイツでの女子サッカー人気は、以前から高いものがありました。やはり、代表チームが国際舞台でずっといい成績を残し続けてきたのが大きいです。女性の個人競技ではテニスやウィンタースポーツも人口が多いですが、団体競技となるとサッカーがダントツです」
ドイツ代表は女子W杯で優勝2回、オリンピックで優勝1回、女子ユーロにおいては欧州諸国で断トツの優勝8回(西ドイツ時代を含む)を誇る。
「女子ブンデスリーガの公式記録によれば、直近の試合まででヴォルフスブルクの今季ホーム戦平均観客数は、5829人。ただ去年10月に行われた宿敵バイエルン・ミュンヘンとの天王山は、いつものサブスタジアムではなくこのフォルクスワーゲン・アレーナで行われ、2万1287人のサポーターが詰めかけました」
イングランド同様、ドイツでも強豪とされる女子チームへはここ数年、クラブの経営陣が積極的に投資を行っているそうだ。
「そうでないと年々競争レベルが上がってきている女子CLで勝ち抜いていけません。ちょっと強化の手を緩めると、たちまち置いていかれてしまう。ヴォルフスブルクは女子部門に、年間1000万ユーロ(約14億8000万円)の予算を割いていると聞いています」