最新情報では「2026年以降に無期延期」?
ひと口に噂記事と言っても、それらは「根拠のない憶測記事」「根拠のある記事に自分の憶測を加えて差別化した記事」「工場や関連会社から漏れてきた情報を元にした記事」、そして「Apple社内から漏れてきた情報を元にした記事」の4つに大別できる。
Mark Gurman氏による「Apple Glass」の情報は、このうちもっとも信憑製が高い「Apple社内から漏れた情報を元にした記事」だった。
製品開発担当者の名前や「RealityPro」という製品名、3000ドル前後という価格、ソニー製の高解像度ディスプレイが搭載されること、さらには装着した人の視線を追跡する内向きのカメラと、手の動きを追跡する外向きのカメラを備えていること。そして先進的なビデオ通話がウリのひとつであることなど、製品について、かなり詳細な描写を伝えていた。
また、メガネ型機器のOS名といわれる「realityOS」の商標を、昨年Appleのダミー会社と思われる企業が獲得したことも、この噂に信憑性を与えていた。
Mark Gurman氏は今年1月の時点で、このデバイスが4月頃にも発表されるとしていたが、その後、6月に開催されるWWDC(Worldwide Developers Conference=世界開発者会議)で発表し、2023年内に発売と情報を修正。もしそうだとしたら、約3000ドルという価格は、一般向けモデルではなく、開発者用機材の価格と考えると納得がいく。
しばしばAppleは開発者に対して次世代商品の威力を発揮するアプリの開発を呼びかけるが、そのために提供される開発機材は、この程度の価格になることが多い。
ただ、その後になって、Bloombergの一連の報道に被せるように、発表は2026年以降に無期延期という噂がいくつか、まことしやかに流れてきた。