「合唱って究極の内輪ネタなんですよ」
――好きなことを舞台に持っていけるのはすごい。合唱曲もネタでよく使っておいでですが?
ガク 無理やり持ってきているだけでうまいこと融合させられてはないですが……。
川北 合唱は中学校のときにずっと指揮者をやっていました。合唱曲がすごくいいなと思っていて、音楽室に行って音楽の先生に合唱曲のCDアルバムを全部貸してくれって頼んでMDとかに入れて聞いてて。
――結構いろんな曲をチェックされているんですね。
川北 一回ちゃんと整理したんですよ、1位、2位、3位を考えて。1位はやっぱり『心の瞳』です。
ガク よく話題に出てくる『COSMOS』じゃないんだ。
川北 『COSMOS』は2位。合唱曲というのは、自分が歌ったという「思い出補正」込みで評価していいものだと思っていて。そうすると卒業式で歌った『心の瞳』がやっぱり1位ですね。未来の自分に対して歌うような曲が多いですよね。
――どういう経緯で指揮者をされてたんですか?
川北 全部に手を挙げる“病気”だったんですよ。誰かが手を挙げるのを待つ時間がすごく嫌で、全部手を上げてたから全部やってました。応援団長も学級委員もずっとやってて。一回、「川北以外で」って言われたこともあります。
ガク どうせ川北が立候補するからってみんながラクしてしまう。
――そこまでいろいろやった中で、好きなものとして合唱が残った理由は?
川北 自分が面白いと思うものは何かっていうと、内輪ネタみたいなのがすごく好きなんです。合唱って究極の内輪ネタなんですよ。学校を卒業していろんな人と出会ってみると、同じ歌を歌ったことがあるだけでクラス内の内輪ネタと同じノリができるなと気づいて。深い知識を問うようなものでもないし、いろんな人に通じるのに内輪ネタそのものなんです。そういうのも込みで合唱が好きかもしれない。
ガク みんなが参加できる内輪ネタ。
川北 本当のガチの不良とかはやってなかったかもしれないですけど、ちょっとヤンチャしてるやつでも歌詞を覚えて歌ってるし。僕の地元は不良はいなかったですけど。
ガク 僕も中学から青学なのでヤンキーには出会ってないですね。おぼっちゃんばっかりで。
川北 中学受験は慶應コースに通ってたんだもんな。
ガク いいだろ、第一志望が慶應だったことは言わなくても。
――内輪ネタという意味では、かつてのMicrosoft Officeのヘルプ機能で出てくるイルカを小道具として取り入れるなど、インターネットっぽいモチーフを多用されていますね。
川北 自分が楽しくてやってるだけですね。中学も高校も一緒だった「おさるさん」ってあだ名のインターネットに詳しい友達がいて、高校では部活も一緒にやっていて。おさるさんの影響が強いです。