この知られざる面白い業界が、ドラマ化!?
――亜季と北脇の凸凹バディな関係には、どんな想いをのせていますか?
北脇は専門家の知見や意見を、一方の亜季はそういう専門家の冷静な態度を冷たいと感じてしまいがちな一般人の感情をそれぞれ代表するキャラなので、ふたりは正反対に見えるのですが、実際は根本にある思いや感情の抱き方はよく似ているし、似ているからこそバディとして成立しているとわたしは思っています。
理屈じみているがロマンティスト、というような、矛盾をはらんだタイプがわたしは好きなので、北脇という人物も、情を理解した上での理論派であり、だからこそちょっと生きづらさを抱えるキャラとして描いています。そのあたりが、感情優先でも理屈を放棄するわけではない聡い亜季と、お互いうまく嵌る部分なんじゃないかなと思ってます。
――月夜野ドリンクのユニークな商品づくりも、今作を読んでいて楽しいポイントです。
作中に登場する商品は、どんな発想から誕生したのでしょうか。
たとえば作中に登場する「緑のお茶屋さん」は、もともと同一世界観の『上毛化学工業メロン課』(以下、『メロン課』)にスパイスを添える小道具だったので、わかりやすく変なお茶として設定しました。
それパクは難しい話題が多いので、変わった商品で息抜きしてもらえるといいな、と頑張って変なのを考えてます。滑ってないとよいのですが!
――今作は連続ドラマ化され、4月12日から放送開始です。第一報を聞いたときの心境をお聞かせください。
ゴーサインが出たと聞いたときは、この知られざる面白い業界のことが電波に乗っちゃうのか!と驚いて、とても嬉しかったです。この作品の実写化企画をずっと推しつづけてくれたスタッフさんがいらっしゃったと聞いて、その事実にも感動しました。