依存症問題の相談の約4分の1が犯罪絡み、と深刻化
――相談件数って多くあるものなんですか。
最近はギャンブル依存症の相談が増加傾向にあります。今の時代、スマホ1つでギャンブルが手軽にできてしまうので、オンラインで楽しむ人が増えています。特に、コロナ禍の緊急事態宣言の頃に、店を開けられなかった飲食店勤務の方が、暇つぶしでギャンブルを始めるといったケースが多くありました。
以前は、依存症者の家族からの相談しかなかったのですが、コロナ禍以降は「ギャンブルに給料を全額使ってしまうんですが、自分は大丈夫でしょうか?」といった感じで、本人からの相談がバンバンきています。以前では考えられなかったようなことが起きているんです。
――手軽にできてしまうようになったから、歯止めが利きにくくなっているんですね。
特に深刻に感じるのは、私の元にくる相談の4件に1件が犯罪絡みになってきていることです。横領とか窃盗とか万引きとか。20年前に自助グループにつながった頃は「家族が逮捕されました」なんて相談はありませんでした。でも今は、逮捕されたとか、会社から訴えられたといった相談が増えていて、金額もとんでもない額になってきています。
――そんな状況になっていたとは。先行きが不安ですね。
支援者の立場からは、未曾有の時代になったなと感じています。でも、長くやっている分、自分のスキルも上がっていますし、仲間も増えているので、なんとかやっていくしかないなとは思っています。
おわり
取材・文/内田陽 撮影/高木陽春