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お金も環境も豊かなはずなのに、暗い表情の日本人

——日本では生きづらさを訴えている人が増えている気がします。

日本で暮らしていた頃は、私も「こうしなくちゃ」と、緊張と不安感を持ってました。お金も「稼がなくちゃ」といつも思っていましたね。そんな中、オンラインチャットを通じてマレーシア人と出会ったことをきっかけに、休暇のたびにマレーシアへ訪れるように。明るい表情で過ごしている彼らにどんどん惹かれていきました。

不思議ですよね。日本の方が経済的にも環境的にも恵まれているはずなのに、日本人の方が表情はなぜか暗いのです。対照的なマレーシア人の軽やかさに希望を抱き、家族でマレーシアへ移住することになりました。

お金も環境も豊かなのに暗い表情の日本人…「楽に生きる」マレーシア人が教えてくれた、堅苦しい日本で楽しく働くコツは「期待値を“60%”下げること」_1
著者の野本響子さん
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——実際に住んでみて、日本との価値観の違いはどんな点がありましたか?

マレーシア人はいい意味で「テキトー」に生きている人が多いと感じます。子育てをしている友人は、「学校が嫌なら転校すればいいだけ」と軽やかで、驚きました。

友人の家では、家事はお手伝いさんがやっており、なかにはキッチンすらない家もあり、毎日外食している家族も少なくないのです。マレーシアの町中には朝食専門のレストランもあるんですよ。

役所や公共機関で何か間違えがあったとしても、「まあ、間違いはお互いにあるものだよね」などと寛容なムードです。

私は移住前にその姿を見て、心底驚きました。これに対して日本では、マレーシアの人々よりも「ちゃんとしなくては」と思っては苦しんでる人が多すぎると思います。