可愛いヒロインと力強いヒーロー

桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜『電影少女』『I
『I"s』 コミックス7巻 表紙
桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜『電影少女』『I
『I"s』 2006年 週刊ヤングジャンプ 4・5号合併号袋とじ

最初のエリアは、桂先生の作品に登場するヒロインたちを振り返る「水色の世界」。『I"s』のヒロイン・葦月伊織(よしづき いおり)をはじめ、桂先生が描く可愛くて美しいヒロインたちのイラストが多数展示されているエリアだ。思わず見惚れてしまうヒロインのイラストの数々は、このエリアだけでも「展覧会に来て良かった」と心を満たしてくれる。

桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜『電影少女』『I

また、各エリアごとに掲出された桂先生のコメントも大きな見どころとなっている。「水色の世界」では、『電影少女』や『I"s』に関連するコメントが掲出されているが、ここでは『電影少女』のコメントを一部紹介する。

「“プレゼント・フロム LEMON”の頃から、人物もリアル方向に描きたい欲が出てきまして、この電影少女でさらにまとめていった感じです。
理想の形にはなりませんでしたが。
目尻を鍵型に表現したり、鼻を影で表現したり、色々四苦八苦しております。
とにかく、漫画絵より人間の顔の方が美しく面白いと、強く思っていた頃なので。
衣装ですが、当時とても和風テイストにハマってまして、それが前面に出ていますね。
和風をSFテイストに変換させるのは、とても楽しかったです」

桂先生の制作当時の思いや、今振り返ってみてどう思うかなど、ここでしか読むことのできないコメントがあることも本展覧会の特徴だ。特に、『TIGER & BUNNY』のエリアでは、熱い思いを綴った読みごたえのある長文のコメントが掲出されているので、会場で熟読してほしい。

続いてのエリアは、ヒーローたちに焦点を当てた「黒色の世界」。ここでは、イラストだけでなく、桂先生私物の「ウイングマン頭部」など立体物も複数展示されている。

桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜『電影少女』『I
『週刊ヤングジャンプ』連載の『ZETMAN』の未発表イラストも公開
桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜『電影少女』『I
「夢戦士ウイングマン-FINAL-不滅のヒーローソング」ポスター
桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜『電影少女』『I
(左)『ZETMAN』コミックス14巻 表紙 (右)2010年 『週刊ヤングジャンプ』20号 扉絵
桂正和〜キャラクターデザインの世界展〜『電影少女』『I
桂先生私物の「ウイングマン頭部」

「黒の世界」では、ヒロインに魅了される「水色の世界」とは打って変わって、桂先生が描く、力強いヒーローや軽やかなヒーローたちを堪能できた。