マンボウの串焼きは
果たしてどんな味だったかというと

恐る恐るかじった一口目。

ん?
うまいじゃないか!

味は白身魚、歯応えは鶏肉に近い。
見た目から脂っこいのかなと想像したが、口に入れてみるとそんなこともなく淡白だ。
塩コショウがよく効いていて、素材であるマンボウの肉の味は舌で探さなければ感じられないほど控えめ。
僕は下戸なので飲まないが、きっとビールのおつまみに最高なのではないだろうか。

紀伊名物・マンボウの串焼きは、まさかの禁断のあの肉の味? 車中泊旅の途中で検証してみた_8
白くプリプリとした食感

それにしても僕の友人は、何をもってこのマンボウ料理に、それほどの気味悪さを感じたのだろうか。

確かに、魚とは思えないようなしっかりした肉質で、噛みしめると口の中でキュッキュッ、コリコリという音が鳴る。
この独特の食感が美味さを引き立てていると思えたが、彼には嫌だったのだろうか。
それとも、水族館の水槽でのんびり泳ぐ、あのマンボウの愛嬌がある姿が頭に浮かび、「そんな子を食べていいのか」という背徳感にやられてしまったのか。

いずれにしても、彼よりずっと鈍感な僕にとっては、珍しくて美味しいご当地料理にしか思えなかった。
もしも紀伊長島に行ったら、ぜひ食べてみることをおすすめする。

ちなみに、漁獲量が少ないため日本では一般に流通せず、食用とされることが少ないマンボウだが、ここ三重県の紀北町紀伊長島地区では、昔から郷土料理として親しまれているという。
元来、マンボウは身も肝も大変美味な魚なのだが、日持ちしにくく、鮮度が落ちると独特の臭みが生じるため、少量ながら水揚げのある地域では、ほぼ現地のみで消費するのだそうだ。