私は失敗だらけの人生
――アイナさん自身も、学生時代にいじめを受けていたことがあったと。
「そうですね。でも嫉妬したり、憎んだり、嫌いになってもいいことはなかった。いじめられたからって見返しても結局自分に戻ってくる。中学生の頃、女子に囲まれて私ひとりで詰められてるときに、ちょっと笑っちゃったんです。そうしたら『お前なに笑ってんねん、キショ!』ってさらに詰められちゃったことがあった。
そのなかの1人とはそのあと仲良くなって、一緒に木登りしているときに彼女のパーカーのフードに草をいっぱい詰めてかぶらせたら、そのなかに虫がいてギャーッてなって彼女が泣いたんです。
それはそのときの私に出来た精一杯の復讐だったんですけれど、泣いてる彼女を見た時にすごくモヤモヤして、『もうやめよう』って思った。かわいそうだった。見返しても、どちらも泣いちゃうだけなんです。
成人式で会ったとき、『いじめててごめん』って謝ってくれた彼女は、いま東京でスタイリストしてます。いまも仲がいいから、こうやってしっかり喋れるんだと思います」
――BiSHは過激なプロデユースや演出で「炎上商法だ」といわれたこともありました。それでも大成したいま、後輩アーティストへ伝えたいことはありますか?
「私は失敗だらけの人生で、事務所にもエイベックスにも迷惑かけたし、喉の手術で休養もした。でもこれって全部リスクを背負って挑戦したからだって、全力で生きたからだっていま思えるんです。
もし守りに入った人生で歌とダンスをやっていたら、きっといまの私はいなかったし、もっともっと非力だったと思う。社会には怖いオトナもたくさんいて怒られることもあると思うし、“炎上”して消えたくなることもあると思う。それでも恐れずに挑戦して突っ走ってほしいなと思います」