全3回の1回目/#2#3を読む

日本女子バスケ代表チームの仲間

 2021年に開催された東京五輪で、日本代表チームは銀メダル獲得という成績を収めることができました。このときの代表チームについて、私は次のような印象を持っています。団結力が強く、やるときにはしっかりとやる集団――。練習や試合のときには気持ちをオンの状態にし、それ以外のときではオフにするのが上手――。
 
 普段は異なるチームに所属する私たちですが、代表チームで一緒にプレーしたり、リーグ戦で試合をしたりしているので、東京五輪の前からすでにお互いのことをよく知る仲でした。メンバーには20歳の若手もいれば、私のような31歳の選手もいて、年齢層としてはかなり幅広かったと思います。東京五輪のときの代表チームのメンバーと試合に臨むのは、相手がどのチームであってもとにかく楽しかったです。

 日本女子バスケには、以前から十分な潜在力がありました。私がその潜在力を感じるようになったのは、2016年のリオ五輪前後のころです。それまでは世界選手権だけでなく、日本チームはアジアカップでも苦戦を強いられていました。しかし、リオ五輪出場を決めた2015年のアジアカップにおいて、それまででは考えられないような点差で中国に勝ったのです。

 さらに続くリオ五輪では、ベラルーシや当時世界ランキングベスト5に入っていたフランスにも勝利します。オーストラリアには負けましたが、あともう少しで勝てるところまで粘ることができたのです。これを境にして、「国際試合でも自分たちは十分に通用するだけの実力がある」と、自信を持てるようになっていきます。

 その自信は東京五輪の代表チームにも引き継がれていました。厳しい練習を皆で共に乗り越えてきたため、「このチームなら絶対に勝ち進んでいける」という自信が充満していたのです。