過去に優勝経験がなければW杯優勝は不可能?

1. 過去に優勝を果たしたのはわずか8カ国

過去21回開催されたW杯の歴史において、優勝経験があるのはブラジル、ドイツ、イタリア、ウルグアイ、アルゼンチン、フランス、イングランド、スペインのわずか8カ国。

最多の優勝回数を誇るのは5回のブラジル、2番目に多いのはドイツとイタリアで、それぞれ4回優勝している。1970年代、当時革新的と呼ばれた戦術「トータルフットボール」で世界のサッカーに大きな影響を与えたオランダは、74年、78年大会のいずれも決勝に進みながらも、優勝には届かなかった。

これらの歴史から、「いまや優勝経験がなければW杯優勝は難しい」と言われることすらあり、未経験国が初優勝を飾るのは非常に難しいとされている。

2. 外国籍監督チームの優勝はない

過去21回の大会で頂点に立ったチームは、いずれも自国籍の監督が率いている。つまり、外国籍の監督が率いたチームでは優勝できない、というジンクスがあるのだ。

日本代表の監督は、1992年に就任したハンス・オフト以降、“W杯後の新体制”では常に外国人監督が就任してきた歴史がある。成績不振やその他諸々の事情による監督交代によって、日本人監督でW杯本番を迎えたことはあるが、今回の森保一監督は、「W杯後の新体制発足時から任命された初の日本人監督」となった。

日本サッカー協会が掲げる「2050年のW杯優勝」という目標達成に向け、日本人指導者の育成が重要視され、こうした方向転換が図られたとされている。はたして、この決断は吉と出るか凶と出るか。

3. 開催国の大躍進

記念すべき第1回大会は1930年にウルグアイで開催され、そのウルグアイが初代王者に輝いた。また、イタリア、イングランド、アルゼンチン、フランスが初優勝を果たしたのも、自国でのW杯開催においてである。

また、優勝はせずとも、2002年日韓大会において日本は初のグループリーグ突破を成し遂げ、韓国は初のベスト4進出という好成績を残した。前回のロシア大会では、決勝トーナメント1回戦で開催国ロシアが強豪スペインを破り、ベスト8まで躍進したことも記憶に新しい。

つまり、自国開催によって得られる恩恵は非常に大きく、「開催国は大躍進を果たしやすい」と言えるだろう。

ちなみに今大会、カタール代表はなんと初戦で黒星を喫してしまった。ホスト国が初戦で敗退するのは、なんと大会史上初。不名誉な記録を作ってしまったカタールの2戦目以降の躍進に期待したい。