仕事より何より犬が大事な人でした


飼い主は事件のあった公園からほど近い家に住む会社経営者で、四国犬は自宅から逃げ出したものだという。目撃者が言う。

「午後4時頃に犬が入ってきて、公園内で遊んでいた犬嫌いの子どもが“きゃー”と言って逃げた途端、その子を追いかけて噛みつき、次々と噛んでいった。犬の体長は1m30㎝ほどで茶色とグレーの色をしていました。警察が駆けつけて捕獲するまでは大パニックでした」

一体、なぜ犬は自宅から脱走したのか。飼い主と30年近く付き合いのある友人に話を聞いた。

「先ほど、本人と会ってきましたが、相当憔悴しきっていました。申し訳ないと…。本人いわく、ちょうど家のペンキの塗り替えをして外回りに足場を組んでいたんです。おそらくそこから外壁をよじ登り出て行ってしまったんじゃないかと話しています。

外壁は見てもらえればわかりますが、かなり高いフェンスになっていて、カンガルーくらいジャンプ力がないと飛び越えられない。普段はゲージに入れていて、夜は家で過ごしていたようですね。でもね、犬たちが鳴いているのをよく聞きました。それでたまに庭に出したりしてたようなんです」

犬を7匹、しかも絶滅寸前と言われているほど貴重な四国犬をなぜそんな多頭飼いしているのかと聞くと「ちょっと抜けたところがある人で」…と口ごもる。

四国犬(写真/アフロ)
四国犬(写真/アフロ)
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「最初は1匹、2匹で、そのうちだんだん増えたんです。なんで四国犬なのかはわからない。でも愛情があるからどんどんと増えて、おそらくみんな家族みたいな存在だったんじゃないかな。

本人はブリーダーとかではないけど、貰い手もつかないと話していたこともあります。あまり後先を考えていなかったのかもですね。たしか一番上の子が12歳のようでした」

ふだんから散歩はしていたのだろうか?

「朝の散歩は欠かさずしていましたよ。朝5時頃からしていたと思います。仕事より何より犬が大事な人でしたからね。とはいえ家は犬中心で建ててはいないから、犬にとっては手狭な庭だったのかもしれませんね」

とはいえ、そんなに奇抜な家庭でもなかったという。

「お子さんも3人いて、普通の家庭ですよ、子どもは成人になってますし…ごくごく普通の家庭です」