Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語、ワーケーション。コロナ禍によるテレワークの普及に伴い、宿泊施設や観光地では専用のプランなどが登場し、取り入れる人が増加傾向にある。
筆者は比較的ワーケーションがしやすいフリーランスということもあり、ひと月に1〜3回程ワーケーションを実施している。
集中して執筆したいときや、家族や友人との旅行に組み合わせて、前入りや後泊で取り入れることが多い。土日の旅行に合わせて、前入りして仕事をしていると、同行者より一足早く現地に馴染めるので、なんだか得した気分にもなる。
しかし、仕事だけ、観光だけ……になってしまっては本末転倒。
過去に何度もワーケーションをした筆者が、ワーケーションをする時に気をつけていることを紹介しよう。
仕事も休暇も良いとこどり! ワーケーションで失敗しないための4つのポイント
Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語、ワーケーションを取り入れる人もだいぶ増えたように思える。この記事では月に数回ワーケーションを取り入れている筆者が有意義なワーケーションを過ごすために意識していることを紹介する。

POINT1:余白を大切にする

前提として、仕事が忙しいときにワーケーションをすることは、おすすめしない。忙しいときにワーケーションを取り入れても、仕事も休暇もどっちつかずになってしまうからだ。
筆者自身、ワーケーションを取り入れ始めたばかりの頃に苦い経験をしたことがある。
気分転換に海の近くでのワーケーションをしたときのこと。当初の予定では、早朝にサーフィンをして、日中は仕事。早めに仕事を切り上げて、夕陽を見ながらSUPや海鮮BBQを楽しむ……そんな過ごし方をしようと計画していた。
しかし、現地に着いてから「クライアントからの要望により、至急対応してください」と急ぎの仕事が!
事前に予約していたアクティビティは全てキャンセル。海で遊ぶ人々を横目に、滞在中、海の近くでずっと仕事をする羽目になってしまったのだ。せめてもの救いは夕食で新鮮な海の幸にありつけたこと。
それからは、ある程度仕事に余裕があるタイミングでワーケーションを取り入れている。普段の旅行でもそうだが、予定を詰め込みすぎてしまうと、その地での偶然の出会いや思いつきのプランなどを楽しめない。急な仕事が入っても、急に遊びたくなっても大丈夫なように、余白のある行程で臨むのがおすすめだ。
POINT2:週末や有給とあわせてスケジュールを組む
Workだけでなく、Vacationも楽しむには、仕事を全くしない時間も取りたい。
手軽にワーケーションを試すなら、金曜の朝に出発しその日は一日仕事。土日は休暇を楽しむ2泊3日のプランがおすすめだ。
国内でのワーケーションなら、早朝に出発すれば始業時間にも間に合う。例えば都心部から沖縄にいく場合、羽田空港から6時台の便に乗れば9時過ぎには那覇空港に到着する。
そこから空港内や空港付近で仕事を開始し、お昼の時間帯を使って移動。午後からは宿泊施設や近くのカフェで作業すれば、業務時間中は、しっかりと仕事に打ち込むことができる。

さらに那覇空港から市街地までは15分程度でアクセス可能。10時始業の会社に務めている人なら、市街地で作業時間を確保してから仕事を始めるのも十分間に合うだろう。
早朝が辛い……という方は、木曜の仕事終わりに現地に到着。金曜は朝から現地で仕事をし、早めに切り上げるというのもおすすめ。仕事が終わった金曜に、すでに旅先にいることで、土日の休暇を丸々楽しむことができる。
POINT3:仕事できる場所を第3候補まで確保する
仕事する場の第1候補に上がるのは、ホテルや旅館の部屋だろう。
しかし、写真で見たホテルの部屋と印象が違う……ということは、通常の旅行でも往々にしてあるので、第2、第3の候補まで事前に決めておきたい。

部屋が作業環境としてイマイチだった場合、第2候補となるのは、宿泊施設のロビースペースやラウンジだ。
ワーケーションプランを販売しているホテルには、電源やWi-Fi完備のスペースがある可能性が高い。高級ホテルのクラブラウンジでは、オンライン会議用にミーティングスペースを利用できるサービスなどもある。ビジネスホテルやゲストハウスでも、宿泊者向けに日中は朝食会場を作業スペースとして開放しているところも多いので事前にチェックしてみよう。
第3候補となるのは、宿泊施設の近くにあるカフェだろう。ここでも電源やWi-Fiの有無の確認は忘れずに。
また、気候の良い時期は、一時的に公園の休憩スペースなどを利用するのもおすすめ。
このように、現地に着く前に、働く場所の目安をある程度考えておけば、到着後、多少トラブルがあっても、仕事を始められる。
POINT4:仕事前後で楽しめるアクティビティを組み込む

仕事の前後や合間にサクッと楽しめるアクティビティを組み込むのも、気分転換になって良い。
例えば、ウィンタースポーツの季節なら、朝8時〜10時まで雪山でスノーボードを楽しみ、準備が整い次第、宿泊施設で仕事を開始。昼食は気分転換に地元のものを食べつつ、散歩。午後からは仕事をし、夜には再びナイターでスノーボードを楽しむ。遊びと仕事のメリハリをつけて一日過ごせるのもワーケーションの醍醐味だ!
もちろんウィンタースポーツだけでない。サーフィンやハイキング、サウナ、温泉など組み込みやすいアクティビティはたくさんある。
筆者が考える、仕事モードと遊びモードを切り替えるためのポイントは、現地に行く前にワーケーションの目的をざっくりと決めておくこと。「この仕事を終わらせたい!」「このアクティビティに挑戦したい!」など、仕事とアクティビティで少なくとも1つ以上成し遂げたいことを用意するのがおすすめだ。
まずは1泊2日や2泊3日から、休暇の日程に合わせて前入りする形のワーケーションを取り入れてみて欲しい。
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