ニューヨーカーの移動が快適になるために作られたバッグ

レスポートサックは、1974年ニューヨークにてシフター夫妻によって誕生した、ライフスタイルブランド。来年には50周年を迎える。
日本には1987年に上陸。今や店舗は64店舗を数える。
ライフスタイルやファンション分野において、さまざまなブランドが日本に上陸、撤退を繰り返す中、現在まで支持を得ているブランドだ。

なぜこれほどまで長くブランドが定着したのだろうか? レスポートサックの誕生の歴史を訊いてみた。

「シフター夫妻がビーチで目にしたセーリングからヒントを得て、パラシュートやヨットやボートの帆に使われていた『リップストップナイロン』と呼ばれる素材でバッグを作ろうというのが始まりでした。
この軽く丈夫な素材を使い、デザイン性や機能性にもこだわり、プロダクトを作っていきました。

当時、世界で一番国際的なニューヨーカーの移動を快適にする目標が、ニューヨーカーのみならず、世界中に人々から注目されました。このブランドのDNAが受け継がれてきたことで、現在までブランドが定着している理由だと考えております」(中井さん)

コロナ禍前の売上を上回る、117%アップと絶好調。 1987年日本上陸以来、「レスポ」が愛され続ける3つのコンセプト_1
ニューヨーク・SOHO地区にある旗艦店
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また、レスポートサックジャパンとして「エターナル」「エフォートレス」「フレキシブル」の3つのキーワードを大切にしているという。

「エターナル」は移動が楽になる快適性やポケットなど物の出し入れがスムーズにできる機能性。
「エフォートレス」はトレンドに左右されず、長く使えること。
「フレキシブル」にはオンにもオフにも使えることというコンセプトがある。

「特に『フレキシブル』はコロナ禍で在宅とオフィス出社がミックスされた働き方が広まったことによって、バッグもオンオフ問わず使えてモビリティを重要視して選ばれることが多くなったことも、好調の要因だと思います」(中井さん)

一部を除き、全てのバッグやポーチは、ニューヨークにあるクリエイティブチームによって開発、デザインされ、月に2回、新作が発表されている。その数はカラーやスタイルのバリエーションを合わせて毎月約100型ほどリリースされる。

「バッグのスタイルはもちろんですが、カラーやプリントのバリエーションが豊かなのも強みだと考えています。お店にいついらしていただいても、新しいバッグやポーチに出会える、お気に入りのデザインが見つかる…そんな選ぶ楽しさをお客様には感じていただければと思っております。

また、昨年からは新しい試みとして日本とニューヨークのクリエイティブチームがタッグを組んで企画する新しいカプセルコレクション(LeSportsac Atelier)が始動しており、大きな反響をいただいております」(中井さん)

コロナ禍前の売上を上回る、117%アップと絶好調。 1987年日本上陸以来、「レスポ」が愛され続ける3つのコンセプト_2
定番のボストンバッグシリーズ

また、子どもの頃からアウトドア、修学旅行、スポーツなどイベントで使用し、自然に認知されていることも長く愛されている要因の一つだ。
「親御さんに買ってもらったり、一緒に使っていたりするという実体験によって、レスポ―トサックへの安心感や親しみやすさが自然と生まれる環境も、50年続けてこられた要因なのかもしれません。」(中井さん)