「新作国定 忠治(くにさだちゅうじ)の巻」(ジャンプ・コミックス8巻収録)

今回は、両さんたち派出所の面々が、大衆演劇に挑むお話をお届けする。

出し物は、両さんの提案により「国定忠治(くにさだちゅうじ)」に。忠治は江戸時代後期の侠客で、上州佐位郡国定村(現伊勢崎市)の出身。天保の飢饉では私財を投じて庶民を救い、腐敗したお上に逆らい続けた反骨の人として、大衆演劇や映画、講談に浪曲……と、不動の人気を誇るキャラクターだ。

役人に追われ立てこもった群馬県赤城山で発したといわれる「赤城の山も今夜を限り……」にはじまる名文句で知られている。ただし現代では、縄張り争いで私闘を繰り返した反社と見なされることも多い。

それにしても、両さんたちはれっきとした現職の警察官。いくらお年寄りに人気だからとはいえ、ヤクザ者を英雄視する「国定忠治」を演じるなんて、そしてその役を警察官同士で取り合うなんて、現実的にはちょっとありえそうにない。もっとも両さんの場合、その強面ぶりがヤクザ役にピッタリだが……。

それでは次のページから、派出所メンバーが「国定忠治」を演じるお話をお楽しみください!!