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歌手志望の19歳が「野田社長」と出会い、グラビアに

MEGUMIは2001年、19歳でグラビアアイドルとしてデビュー。細川ふみえ、雛形あきこ、小池栄子らを輩出した芸能事務所「イエローキャブ」の大型新人としてブレイクした。

「もともと歌手志望で、上京していっぱいオーディションを受けていたんですけど、全然受からなくて。

当時のボイストレーニングの先生が紹介してくださったのが、野田(義治)社長でした。野田さんといえば、グラビア。たまたま胸が大きい体型だったので、『来週からサイパンに行け!』みたいな感じになって(笑)。

そこからグラビア、バラエティにドラマと、ほとんど休みがない状況が続いたんです。そして、2年後に歌手デビューできたんですけど、それがもう、びっくりするくらい売れなかった(笑)。

挫折して、バラエティータレントとしてワーッと働いて、2008年頃に結婚して出産って感じです」

「グラビアアイドルが映画なんて」「世の中から置き去りにされている感じがして」MEGUMIが過ごした“大人の思春期”と努力でつかんだ“今”_1
インタビューに応じたMEGUMI
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その頃、胸の内でくすぶっていたのが、映画界への憧れ。永瀬正敏主演、林海象監督の「私立探偵 濱マイク」シリーズ(1993年〜1996年)がきっかけだった。

「上京して一番不安だった頃に、『濱マイク』シリーズをすごい見てたんですよ。オシャレで、ストーリーもよくて、エッジーで。

自分のかすがいみたいなものがこのシリーズで、当時から『この世界に映っていたい』という憧れはありました。

でも昔は、映画とドラマの世界ははっきり分かれていて、『グラビアアイドルが映画なんて』という雰囲気も強くて。

『映画やりたい』なんて、自分が言っていいはずがないと思ってました」

そして出産後は、ママタレントとして芸能界から求められるように。

「子育てをして、プライベートでは幸せだったんですけど、『冷蔵庫の中身を見せて』みたいな依頼が来ると、『いや、やりたいことと違うけど……』みたいな。

自分が世の中から置き去りにされている感じがして、まさに『大人の思春期』でした」

状況を打破するため、まずはマネージャーや近しい人たちに「映画に出る役者になります!」と宣言。

古今東西の映画を見漁り、演技力を磨くために、マンツーマンで指導してくれる「アクティングコーチ」についてもらった。