吊りロープショー、イリュージョン、空中アクロバットショー、オートバイショーと、次から次へとハラハラドキドキのパフォーマンスが繰り広げられるなか、多くの観客を魅了してやまないのがライオンショー。
サーカスの代名詞と言っても過言ではない、ライオンショーの裏側に迫った。

サーカスのライオンたちはどこからやってくる?

――マイケルさんは2013年から木下サーカスに出演されているとのことですが、それ以前はどんなお仕事をされていたんですか?

我が家は祖父の代からサーカスの調教師で、私も自然な形でこの道に入りました。調教師になったのは19歳のとき。日本に来る前はサーカスでライオンなどの調教をしながら、映画に出演する動物の調教をする仕事もしていました。

――サーカスにいるライオンたちは、どういうプロフィールなのでしょう?

ときどき「アフリカで捕まえてくるんですか?」と尋ねられることがありますが、そんなことはしません(笑)。

イギリスに、サーカスやサファリパークのための動物を繁殖して育てるプライベートな動物園があって、彼らもそこの出身です。ですから、サーカスに出ているライオンたちはワイルドライフを知らないのです。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_1
木下サーカスの看板プログラム、大迫力のライオンショー
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――トレーニングは、どのくらいから始めるのですか?

ホワイトライオンのフェローとシーバは1歳を過ぎた頃から、ライオンのロミオとジュリエット兄妹はまだ赤ちゃんに近い月齢からスタートしました。やはり小さいころから始めた方が、触ることができるライオンになりますね。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_2
ステージでライオンを抱きしめることができるのは、信頼関係があってこそ

――どんなトレーニングを?

最初は、トレーニングというよりも遊びです。座ったときにごほうびをあげて「これがお座り」といった感じで教えていく。すぐに覚える子もいれば、時間がかかる子もいますが、やがてどのライオンもできるようになります。

そうしながら、それぞれの個性を見極めて得意なことをのばしていくと、無理なくスムーズにパフォーマンスにつなげることができるのです。

「週に一度はエサ抜き」「機嫌が悪くショーに出られない日も」…調教師が明かすサーカスのライオンたちの舞台裏。「ハッピーなライオンは、ハッピーなショーができる」_3
「ライオンの良さを引き出すのが、私の仕事」とマイケルさん