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防衛首脳による相互訪問

日本とフィンランドの間では近年、防衛首脳による相互訪問が、頻繁に実施されている。これは、両国の安全保障協力が着実に深化していることを示している。

2018年5月には、小野寺五典防衛大臣がフィンランドを訪問し、大統領公邸においてニーニスト大統領を表敬した。その後、ユッシ・ニーニスト国防相と会談し、ロシア情勢などについて意見が交わされた。

この訪問から短期間に、10月には河野克俊統合幕僚長がフィンランドを訪問し、2019年2月にはニーニスト国防相が日本を訪問した。

統合幕僚長によるフィンランド公式訪問は、2000年7月以来、18年ぶりであった。河野統合幕僚長はロシア訪問後にフィンランドを訪れ、ニーニスト大統領とニーニスト国防相を表敬したほか、ヤルモ・リンドベリ国防軍司令官と会談した。加えて、フィンランド海軍部隊やフィンランド海軍アカデミーを訪問した。

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2019年2月の訪日では、ニーニスト国防相は岩屋毅防衛大臣と会談し、日フィンランド防衛協力・交流に関する覚書への署名が行われた。フィンランドにとって、同種の覚書への署名は10か国目であるが、アジア国家との間では初めてであった。

翻って日本にとってフィンランドは、普遍的価値を共有する戦略的パートナーであり、防衛協力を進展させることは自然の流れといえよう。