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ひきこもりはうつ病の一種で精神疾患

――子供たちを取り巻く現代の問題としてトー横界隈がある一方、『「子供を殺してください」という親たち』の【ケース19 奴隷化する親たち】に出てくる直之のようなひきこもりの子供たちにも、押川さんは接してきました。直之は自立支援ホームにつながることができましたが、やはり若いうちの方がリカバリーしやすいのでしょうか?

【漫画あり】浴室で日本刀を振るひきこもり少年の末路は…。「ひきこもりは精神疾患」ということを伝えないのは、自治体や国の責任逃れでしかない。「今後はメンタルヘルスの人たちへの対応が得意な地域と苦手な地域に分かれます。そもそも精神科病院が機能していない東京は、それが最も苦手な街でしょうね」_1
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やっぱり若い方が、社会に対してつながりやすくなりますよね。そういう子供さんを抱えている親は、「見守って」とか「ドアの外から声かけして」といった、通り一辺倒の心理学的手法をとっていることが多いんです。でも、親御さんたちが願っているのは、彼らが社会につながっていくことですよね。

ひきこもりの専門家から心理学的なアドバイスをずっともらっていると、日本ではひきこもりの増加という結果になってしまうんです。社会から見れば私宅監置、つまり昔でいう座敷牢です。そういう生活を続けていると、脳が萎縮してしまうという精神科医もいます。歳をとればとるほど社会とつながるのは難しくなっていく。

でも、若いうちならばアプローチの方法がまだたくさんあります。他の病気と同じで、ほったらかしてしまうと、最終的には治療の選択肢が狭まり、予後不良になってしまう。歳を取ってからだと、最後の最後の「命をどうするか」という話になってしまうんです。

【漫画あり】浴室で日本刀を振るひきこもり少年の末路は…。「ひきこもりは精神疾患」ということを伝えないのは、自治体や国の責任逃れでしかない。「今後はメンタルヘルスの人たちへの対応が得意な地域と苦手な地域に分かれます。そもそも精神科病院が機能していない東京は、それが最も苦手な街でしょうね」_2

――放っておくと、どんどん悪化していってしまうと。

そうなんです。日本のひきこもり対策は、定義を広げ過ぎたという大問題もあり、いわゆる社会的なひきこもりの方を主な対象としています。そのため長い間、「家の中に置いて見守る」という心理学的アプローチの仕方がとられてきました。しかし近年では、長期ひきこもりは対人関係の他、うつ病などの精神疾患が主な要因だと、九州大学が証明したんですよ。実際に血液検査をすることで、科学的にも医学的にも明らかな特徴が出ているんだそうです。

ただ、そんな重大な発見を大々的に取材したのはCNA(Channel NewsAsia)というシンガポールの国営放送で、日本では小さくしか報道されませんでした。というのも、そこに予算をつけると、これまでの日本のひきこもり対策が根本から間違いだったということになってしまうからです。私がずっと見てきた長期ひきこもりも、ほぼ精神疾患なんですよ。

それが本物のひきこもりです。

そのことをちゃんと伝えないのは、自治体も、国としても治療をする義務を放棄できるから。そうなると、ますます私宅監置の流れは進んでいきますし、以前も言いましたが、今後はそういったメンタルヘルスの人たちへの対応が得意な地域と苦手な地域が本当に分かれると思います。そもそも精神科病院が機能していない東京は、それが最も苦手な街でしょうね。