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なんチンは薄汚れた荷台にあがり、ズタボロの床マットをめくると「エブリイはここにバッテリーが入っているからな。カスタムするとき、ここを塞いじゃダメだよ」と教えてくれた。それはいいのだが、「この車、ホントにきったねえなー」と僕は思っていた。
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まずはズタボロだった床マットを剥がして処分。自宅だからマスクを外して作業していたら、古いマットから出るホコリで鼻をやられ、クシャミと鼻水が止まらなくなった。
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返す刀で、汚れた天井内張りを引っぺがす。ビスと粘着剤だけで付けられていたので、剥がすのは簡単だった。
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剥がした天井はどうしたかというと、バラバラに刻んで捨ててやったぜ。ワイルドだろ〜?
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取り出しますはアウトドア用のアルミマット。
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断熱機能のあるアルミマットを床に敷き、フローリング用の簡易畳(半畳×2)をその上に置いてみる。これから車内で色々と作業をする際、この上に座れば楽なんじゃないかと思って買ったものだったのだが、敷いてみると「あれ、もうこれでいいんじゃない? 十分、車中泊できるな」と思ってしまった。人間“起きて半畳、寝て一畳”。これだけのスペースがあれば、一人生きていくのに困ることはないなと思う。アウトドア用の折り畳みローテーブルと、ランタン型Bluetoothスピーカーも持ち込んだら、さらに素敵な空間に。お茶を飲みながら、しばし寛いでみたりする。
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ここまでは“山の家”の庭で作業をしていたが、気分を変えるため山中湖の湖畔に移動。湖を眺めながら、あちこち小さく破れていた窓のスモークフィルムを引っぺがす。シール剥がし剤を使いながらの作業で、すぐにできると思いきや、これが意外と大変だった。
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窓にスモークフィルムがないと外から丸見えだが、車内からの眺めは最高。この解放感は捨て難いので、新たにスモークフィルムは貼らないことに決定。目隠しはカーテンで対応することにしよう。
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ホームセンターで建築用の断熱材、『スタイロフォーム』を購入。固い発泡スチロールのような、軽い素材だ。
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内張りを剥がして鉄板が丸出しになっていた天井に、両面テープで直接貼っていく。また、これから天井を作っていくためのベースとなるよう、梁の部分に木材をつけてみた。
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見れば見るほど可愛く思えてくる、うちのエブリイ氏。オーナーの欲目だろうか
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なんやかやと忙しくて、前回の作業から3週間近く放置してしまったが、このゴールデンウィークの間に作業を一気に進める予定。スズキのエンブレムやドアバイザー、ナンバープレートなど、外せるものを全部外したスッピンのエブリイは、これから始まる何かに少し怯えているように見えた。
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ホームセンターでかっこいい木材を見つけたので、フローリング用として使うことにした。採寸したうえで、板を切ったり貼ったり塗装したりと苦心しつつ完成。う〜ん、いいじゃないですか。二つのパーツに分けて蝶番でつないでいるのは、後部座席を出して四人乗りにする際に折り畳めるようにしたため。
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最初にやる工程が、塗ってはいけないところのマスキング。ここを丁寧にやるかどうかで、仕上がりに大きな差が出るようだ。時間をかけて、隅々までしっかりマスキングした。
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続いて、これから塗装する部分全体にサンドペーパーで軽くヤスリがけしていく。塗料の乗りをよくするための、“足つけ”という作業。これをやってしまったら、もう後戻りはできない。やすりがけ終了後は全体をシンナーで拭き、細かな汚れと油分を取り除いた。
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そしていよいよ塗料を塗っていく。下地作りは地味だったけど、ここからは楽しい仕事! ということを嗅ぎつけて、我が家の女子二人(妻&娘)が駆けつける。ありがたいことなのでお任せして、僕はちょっと休憩。
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脚立に乗って、屋根もしっかり塗装。
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使っているのはタカラ塗料の「AQUEOUS METAL-COATED SILICON 水性金属用シリコン」というもの。もちろん色々なことに使える塗料なのだが、車を刷毛やローラーで自力ペイントすることに推奨されている。色は各種リリースされていて、僕が選んだのは艶消しの渋い水色「世田谷ベースカラー」。そう! あの所ジョージ氏考案・監修による色なのだ。
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オールペン完了!塗料が完全に乾く前にマスキングを剥がさなければならないので忙しい。乾いてしまうと、マスキングとともにペイントも剥がれてしまうらしい。
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おお〜う! いいねえ!
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素人作業だから、もちろん随所に粗(あら)がある。こういう塗料の垂れたあとも多い。細かい目のヤスリで削って上から薄く塗り直すと補修できるらしく、妻と娘はやろうとしていたが、僕は全力で止めた。僕「このままがいいよ。こういう粗さがあった方が、無骨でかっこいいんだって。萌えるよね〜」妻&娘「わからん!」
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先に作っておいたフローリングを入れてみる。きちんと測って作ったのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが、ピタリ収まって感動する。
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アルファベットのステンシルシートを組み合わせ、マスキングテープで固定したうえで、スポンジを使って文字をペイントしていく。
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こうやって準備してペイントすると……。
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こうなる。ね、かっこいいでしょ? リヤハッチには「GOING NOWHERE」
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左サイドに「DRIVING NORTH」
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リヤから左サイド。
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右サイドには「DRIVING SOUTH」の文字。深い意味はありません。
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