高知の大丸デパートでの大乱闘

自殺直前の母の忘れられない一言とは。「大人は誰も信じられない」喧嘩に明け暮れて大立ち回りの後に上京、AVプロダクション設立、嘘だらけの芸能界デビュー、嶋大輔との伝説の喧嘩を高知東生が語る_4
成人式の日、親戚の家で撮影した記念写真

――毎日……。夜に喧嘩したあと、朝にはデパートに出勤するんですか?

ナンパした女性の家に泊まったりもしていたので、同じ服着てね。デパートのメンズフロアの店員が何してんねんって感じですよね。

でもそんなふうに、毎日のように街で暴れていたので、あるときデパートに喧嘩した独立系の組の若い衆が報復にやって来たんです。ものすごく弱かったので、まさか組員とは思わず。なんで職場にやって来たかというと、喧嘩したあと、そいつらが組の名前を出したので、俺も負けじと「こちとら大丸の者じゃ!」って思わず言っちゃったんですよ。

――デパートの名前を。

そうそう、高知で「大丸」といえば、大丸デパートしかないから。それでそいつらが幹部を引き連れてやって来て、売り場で大暴れしたんです。そこらじゅうの物を壊しまくって。お客さんもいる売り場で喧嘩するわけにはいかないので、とりあえずバックヤードに引っ込んで、中井の親父に電話しました。本当の父親じゃないとわかってはいながら、向こうは俺のことを可愛がってくれていたので、初めて親父に助けを求めたんです。

――助けてくれたんですか?

「わかった。待っとけ」って電話を切ったあと、一体どこにいたの?っていうくらい、すぐ来ましたね。
「お前ら何者じゃ?」「中井組じゃ」って。暴れてたやつらもわけわからないので、「なんで中井組がおるんじゃ」って言うんだけど、「この方は親分の息子さんじゃ」って。それであっという間に全員さらわれていきました。

――暴れていた人たちがさらわれたあと、職場はどうなるんですか?

呆然としながら部長が「お前は何者や?」って言ってました。でも親父は大丸デパートの外商の顧客だったので、会社の上の人たちには知られていたんですよ。それで、迷惑をかけたからって、親父からデパートにとんでもない数のお寿司が届きました。